お金持ちになるには、3つの方法しかない

藤川さんによると、お金持ちになるための法則は、次の計算式で表すことができるという。

<お金の持ちになるための法則>
資産の増加=収入―支出+運用益

この式からわかるのは、資産を増やすには、収入を増やすか、支出を減らすか、運用益を増やすか、この3つの方法しかないということだ。

「このうち、どれか一つでも他の人より優れている才能を持った人がお金持ちになっているのです」

とすれば、3つのうち「自分はどれが得意か」を見極めることが、資産1億円への近道となる。もう一つ重要なのは「期間」。節約をするにしても、運用で増やすにしても、期間が長いほど有利になるのは当然だ。自分の得意な方法を見極めたら、すぐ実行に移すことが大切になる。

では、自分がどのタイプに向いているのか、どう見極めればいいのか。各タイプの特徴を知ればヒントになるだろう。

<節約家タイプ>共通点は「共働き」で「夫婦仲がいい」

節約家タイプでお金持ちになった夫婦には共通点がある。それは、共働きであることだ。

「どんなに節約に熱心でも、ある程度の収入を確保しなければ、効果は期待できません」

その上で夫か妻か、どちらか一方の収入で生活費を賄うようにすれば、配偶者の収入は、まるまる貯蓄に回せることになる。

収入を増やす道は、共働きだけではない。最近は副業を認める会社も増えているし、不動産投資で賃貸収入を得るなどの方法もある。本業の収入で生活費を賄い、本業以外の収入を貯蓄することができれば、お金持ちへの第一歩を踏み出すことができる。

「節約家タイプは夫婦の仲がいいのも特徴ですね」と藤川さんは指摘する。

「家計の見直し相談センター」に相談にくるお金持ちは、夫婦で訪れる比率が明らかに高いという。

単身者では実家暮らしが共通点だ。都会に住んでいると収入は高いが、家賃も高い。実家暮らしにより家賃が必要なければ、都会のメリットを最大限享受できる。もちろんそのうえで節約家であることも条件だ。

同じ会社勤務で同じ稼ぎなのに、貯蓄額に大差

また、藤川さんは企業や団体の社員・職員向けの相談サービスも実施しているので、同じ会社から複数の人が相談に来ることも多い。収入はそれほど変わらないにもかかわらず、貯蓄額の差に驚くことも少なくないという。ある人は借金に苦しみ自転車操業の生活を続けているかと思えば、すでに数千万円の貯蓄がある人もいる。そしてその差には、夫婦仲が関係していることが多いという。

普通はお金の絡む話題から逃げ回る夫婦が多い。住宅や教育、老後など、家族の将来に向き合えば、「必要なお金をどう用意するか」という話題になるからだ。日ごろの無駄遣いを責められるかもしれないし、自由に使えるお金を減らすことになるかもしれない。だから、できるだけ話題にしないようにする。

だが、「家計を管理する目的は、自分ではなく、家族が幸せになることです」。そう考えれば、お金の問題に夫婦で向き合う時間をつくることは重要だ。最初は、互いの主張がぶつかり、夫婦喧嘩になるかもしれない。だからこそ簡単ではないが、日ごろから夫婦でお金の話をして、家族内で役割分担がしっかりしている節約家は、お金が貯まるし自然と夫婦仲がよくなるわけだ。