妻が死亡した場合の夫はやや不利に

働くママにとっては、「自分が死亡したら子どもや夫が生活に困らないか」も気になるだろう。

子どもがいる世帯で会社員の妻が死亡した場合は、遺族基礎年金と遺族厚生年金が支給される。それなら、夫死亡と妻死亡では同じようにもみえるが、夫死亡では妻が遺族厚生年金を終身で受け取れるのに対し、妻死亡で遺族厚生年金を受け取ることができるのは、子どもが18歳になって最初の3月末(障害のある子では20歳未満)まで、という違いがある。

また夫の年収が850万円以上の場合、子どものみに遺族基礎年金と、遺族厚生年金の受給権が発生する。ただし、夫(父親)と生計を同じくしていれば、遺族基礎年金は支給停止となり、遺族厚生年金のみとなる。

夫死亡の場合の方が有利、ともいえるだろう。前述した中高齢寡婦加算も、妻を亡くした夫には支給されない。

子どもがいない夫婦やシングルの人は?

また、遺族基礎年金が支給されるのは、子どもがいる人や子どものみ。したがって、子どもがいない夫婦では、遺族基礎年金の支給がない。

シングルで子どもがいない場合は遺族基礎年金はなし。生計維持されている55歳以上の父母、いなければ祖父母に、遺族厚生年金が支給される。シングルマザー、シングルファーザーの場合は、子どもに対して遺族基礎年金と遺族厚生年金が支給される。