年金制度の改革案がまとまった。公的年金のほか、企業年金・個人年金も含めて、働く女性に大きく関係しそうなポイントをみていこう。改正の「意図」を知れば、老後のプランも立てやすいはず。
※写真はイメージです(写真=iStock.com/NoSystem images)

年金が多く受け取れる厚生年金加入者を増やす

公的年金について、働く女性に関係しそうなのが、厚生年金の「適用拡大」だ。

会社員が厚生年金に加入しているのに対し、短時間のパートタイマーなどで働く人は国民年金に加入しているケースが多い。現行では、➀1週間の労働時間が20時間以上、②月額賃金8万8000円以上(年収換算106万円以上)、③勤務期間1年以上見込み、④学生以外、⑤従業員501人以上の企業等(500人以下でも、➀~④を満たし、労使の合意がある)という5つの要件を満たすと、厚生年金に加入となる。

改正では、企業の規模について、2022年10月に100人超規模の企業、2024年10月には50人超規模の企業も厚生年金加入に広げるほか、勤務期間1年以上ではなく、2カ月超勤務する人も対象とする。

改正の狙いは、年金が多く受け取れる厚生年金の加入者を増やすことだ(制度改正で適用対象が拡大される「手取りが減っても厚生年金に加入した方が得か」参照)。