前回に続き、税金のお話です。今回は「節税」について解説しましょう。日本は世界的にも重課税国。払うべきものは払わなければなりませんが、うまく節税できるならそれに越したことはありません。
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女性の稼ぎ力を阻む“配偶者控除”

『プレジデント ウーマン』の読者の方には少ないかもしれませんが、女性の節税という点で、一般的に切実に考えられているのが「配偶者控除」です。

従来この制度は、妻の年収が「103万円」を超えると適用されませんでしたが、2018年に改正され、「201万円」まで特別控除を受けられることになりました。

「それはありがたい! これでもう少し所得を増やしても控除を受けられる」。……ついつい喜んでしまいそうですが、果たしてそれでいいのでしょうか?

実はこの制度、女性の自立という点から見ると、マイナスに作用する可能性が高いのです。確かに「家計の税負担」にとってはプラスですが、枠にこだわりすぎると、働き方が著しく制限されてしまいます。つまり「配偶者控除を受けるためには、私は年収201万円を超える仕事に就いちゃいけない!」という考えです。

これが、配偶者控除で陥りがちなワナです。つまり、豊かになるために始めたはずの共稼ぎが、いつの間にか「控除を受けることが目的」になってしまうのです。

配偶者控除に縛られていると、どうしても発想が「引き算」になり、気がつくと「いかに所得を増やさないか」ばかりを考えてしまいます。せっかく就業チャンスに恵まれても、こんな守りの発想に足を引っ張られたのでは、かえって不幸です。

本来、税は稼げば当然支払うものです。対して配偶者控除は「稼ぎが少ない人への救済」です。これは課税とは発想の違う、弱者救済のための一種の社会保障です。就業時にまず社会保障を気にする人は、「稼ぎたい」より「守りたい」の気持ちが強い人です。

金を稼ぐチャンスになるたび、どこからともなく「ただし201万円までだがな!」という声が頭の中に響いてくる人は、弱者サイドです。この声の主は、天使なのか悪魔なのか!? 少なくとも、女性がリッチになるのを邪魔していることだけは確かです。

だから女性たちは皆、この考えを思い切って捨ててしまいましょう。心配はいりません。控除以外にも、節税方法はいくつもあります。会社員でもできる節税方法を、いろいろ考えてみましょう。