「法人設立」は節税効果抜群!

最後の奥の手としては「法人設立」があります。

これは会社が副業を認めている人限定です。実は私も、自由度の高い職業(予備校講師と執筆)に就いているため、法人設立をしていますが、節税効果は非常に高いです。具体的には「青色よりもさらに経費の幅が広がる/法人役員用の生命保険に加入でき、法人の利益を圧縮できる/小規模企業共済(退職金制度)への積立金が所得控除される/倒産防止共済(倒産への備え)への掛金が法人の損金となって節税でき、しかも全額返ってくる」などです。

ただし、これは自分がやっているからわかりますが、いいことばかりではありません。法人設立にかかる費用(節税効果の高い法人にするには税理士の指導が不可欠なので、その費用がかかります)、法人税・消費税の支払い(収入は通常「売上金」になるので、それに対する消費税を納税します)、税理士への月々の顧問料、社会保険への加入など、お金もかかりますし、面倒なことも多いのです。

そのほかにも、住宅ローン減税・ふるさと納税・医療費控除など、節税効果のあるものは、探せばいくらでもあります。

節税する際に気をつけてほしいのは、劇的な効果を期待しないことです。脱税につながるリスクを負ってまで派手な節税をするよりも、多方面に少しずつ気を配った結果、ちりも積もれば山となっているのが、健全な節税です。

基本は常に「しっかり稼いで、しっかり納税」ですが、できる努力はしちゃいましょう。健全な節税は、慣れてくると達成感が楽しいし、貯金箱に1円玉をコツコツ貯めていくような喜びがあります。皆さんもぜひ、この機会に取り組んでみてください。

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蔭山 克秀(かげやま・かつひで)
代々木ゼミナール公民科講師

「現代社会」「政治・経済」「倫理」を指導。3科目のすべての授業が「代ゼミサテライン(衛星放送授業)」として全国に配信。日常生活にまで落とし込んだ解説のおもしろさで人気。『経済学の名著50冊が1冊でざっと学べる』(KADOKAWA)など著書多数。