春になると肌の調子が乱れる、トラブルが起きやすくなるという人は意外と多いもの。実は美容皮膚科では、肌のコンディションも考慮して、春を迎える前に受けておいたほうがいい施術がある。その理由について、美容皮膚科タカミクリニックの本田えり医師に話を伺った。
※写真はイメージです(写真=iStock.com/metamorworks)

各レーザー治療には、受けるにふさわしい時期がある

まず、この時期に受けておきたい施術には2つのタイプがある。

1.春夏になると、リスクが高まったり、効果が薄れる施術
2.春夏の肌のトラブルを軽くするための、予防的な施術

「1のタイプは、簡単にいうと“かさぶた”ができるような施術で、主にシミやホクロを除去するものです。代表的な施術は1回でシミを除去する“ルビーレーザー”や、ホクロやイボを取る“炭酸ガスレーザー”、毛穴やアンチエイジングに使われる“フラクショナル”タイプのレーザーですね」(本田先生)

その理由のひとつが紫外線量。気象庁が発表しているUVインデックスの月別累年平均値を見ると、10月から2月までは弱い、もしくは中程度でも比較的低い数値となっている。そして3~9月になると中程度~強いで推移するようになる。

日最大UVインデックス(解析値)の月間累計平均値(東京)
出典:気象庁HPより「日最大UVインデックス(解析値)の月間累計平均値(東京)」*1997~2008年の期間の平均月別

「先ほど挙げたメニューは、施術後一時的に肌のバリア機能が低下します。そこに紫外線が当たると、メラノサイトが活性化されて、炎症後色素沈着という、違うシミになりやすいんです。元のシミよりも濃くなるリスクもあります」

肌の状態にも注意が必要。乾燥していたり、拭き取りやゴマージュなどで肌表面が乱れている人は色素沈着が起きやすいという。それこそ春は寒暖差や、花粉などで肌が乾燥したり、荒れていることも多い。

「そのため、スキンケア指導や内服薬の処方も併せて行うことがほとんどですね」

もうひとつが皮膚温度の上昇。気温が暖かくなるほどに、肌表面の温度が上がっていくため、ヤケドのリスクが高まるという。

「水泡になってしまう危険もありますので、その人の肌の状態にもよりますが、出力を変えたり、ヤケドが起きにくい深さに設定を変えることもあります。ベストな設定で施術ができないのは非効率になるということも、今受けておきたい理由のひとつです」

同じ金額を払うのならば、より効率のよい時期に行うのが賢い判断といえるだろう。