肩甲骨を開閉する運動やストレッチを習慣にするとよい

「デスクワークの多い仕事では肩こりを訴える人は特に多いですね。ひどくなると頭痛や吐き気、不眠症状が出ることも。PC作業は、1時間に5分程度の休憩をはさみ、肩甲骨を開閉する運動やストレッチを習慣にするとよいでしょう」

肩こりは、疾患名ではないそうだが、肩こりに似た症状を伴う病気もあるというから注意が必要だ。

頸椎けいつい症という首の病気でも肩こりと手先のしびれを伴います。目の病気や、高血圧、心臓の病気、内臓疾患などが原因の場合もあります」

また、40歳以降の女性なら、更年期の症状として肩こりが現れることもあるそう。

「人によっては、女性ホルモンの分泌変動により肩こりが強くなることもあります。整形外科の役割は、痛みの根本原因を調べること。なかなか治まらない痛みや腫れ、普段と違う筋肉の痛みを感じたら、自己判断で対処せず、早めに受診しましょう」

いつもと違う肩こりを感じたら、湿布を貼る前に、まずは専門医での受診がオススメだ。

文=戌亥真美 写真=iStock.com

小橋 大恵(こばし・ひろえ)
チームメディカルクリニック理事長

整形外科専門医。筋・骨・靱帯・神経などの運動器と呼ばれる器官の外傷や病気の診療を中心に、スマホの長時間使用などによる肩・首の不調の相談や診察、アドバイスも行う。やさしい語り口と適確な診断で、働く女性を中心に信頼が厚い。