肩こりは、まさに現代病。同じ姿勢での作業は要注意です
「肩こり」は女性の不調の代表格であり、厚生労働省の「国民生活基礎調査」でも、毎回、堂々1位の自覚症状となっている。病気ではないものの、重くてだるい“こり”の症状は、ひどくなると頭痛まで引き起こすという。そもそもなぜ肩こりは起きるのか、整形外科医の小橋大恵先生に伺った。
「重い頭を細い首が支えており、さらに片方4kg前後もある両腕の重さが肩に集中しているため、肩こりは誰にでも起きやすいのです。PCなど、首や背中が常に緊張する姿勢を続ける作業や、スマホの長時間使用、猫背、精神的ストレス、冷え、運動不足なども原因に。さらに、なで肩の人もなりやすい」
悪い姿勢を続けることで背中にある僧帽筋が緊張状態に。すると血管が圧迫され、血行不良となり、疲労物質が溜まることで“こり”を引き起こす。疲労物質を溜め込むとさらに痛みやこりがひどくなる悪循環に陥るという。まずは筋肉を緊張状態から解放することが症状改善の近道だと小橋先生。
肩甲骨を開閉する運動やストレッチを習慣にするとよい
「デスクワークの多い仕事では肩こりを訴える人は特に多いですね。ひどくなると頭痛や吐き気、不眠症状が出ることも。PC作業は、1時間に5分程度の休憩をはさみ、肩甲骨を開閉する運動やストレッチを習慣にするとよいでしょう」
肩こりは、疾患名ではないそうだが、肩こりに似た症状を伴う病気もあるというから注意が必要だ。
「頸椎症という首の病気でも肩こりと手先のしびれを伴います。目の病気や、高血圧、心臓の病気、内臓疾患などが原因の場合もあります」
また、40歳以降の女性なら、更年期の症状として肩こりが現れることもあるそう。
「人によっては、女性ホルモンの分泌変動により肩こりが強くなることもあります。整形外科の役割は、痛みの根本原因を調べること。なかなか治まらない痛みや腫れ、普段と違う筋肉の痛みを感じたら、自己判断で対処せず、早めに受診しましょう」
いつもと違う肩こりを感じたら、湿布を貼る前に、まずは専門医での受診がオススメだ。