太陽をしっかり浴びて、幸せホルモン合成を促進しよう

この時期は、エネルギーを貯め、次の春に向けて準備をする大切な時期です。特に全身の冷えは循環機能を低下させると同時に、カラダの根本である臓器の機能を低下させるため、エネルギー産生ができなくなり、冬バテになります。そのため、カラダを内と外から温め、春への鋭気を養うことが大切です。カラダの内側を温めるには食べ物が、外側を温めるには入浴やカイロ、太陽の光などが役に立ちます。

また、寒さからやる気も気力も低下気味になるでしょう。これからはじまる春に向けてココロの準備をしなければいけません。新しい季節をイメージしながら、カラダの内側と外側の両方からエネルギーを補充し、鋭気を養いましょう。なお、太陽の光に当たることは、幸福ホルモンであるセロトニンの合成を促します。太陽の光が弱い時期だからこそ、積極的に太陽の光を浴びるように努力しましょう。

カラダを温める食材と入浴で、内外から温めよう

「カラダとココロの養生法」

食材では、カラダを温めるものの代表としてショウガやニンニクなどが有名ですが、そのほかにも土に埋まっている根菜類はカラダを温める作用があり、逆に、土の上に育つ野菜はカラダを冷やす作用があると言われています。また、東洋医学では色を重視しており、赤い食べものはカラダを温めますが、黄、緑、青、紫に変化するにつれて、カラダを冷やすと考えられています。苦い味の野菜はカラダを冷やしますが、辛いものは温めるとされています。そのため、食材を選ぶ際には、食材ができる場所や色、味などを加味して、選ぶことをお勧めします。

カラダを外から温めるには、入浴が効果的。寒い場合は熱いお湯に入りたいところですが、41~44℃のお湯はカラダをリフレッシュさせる作用が強く、交感神経の活動が亢進することから、内臓機能が低下してしまいます。逆に38~40℃のぬるめのお湯はカラダをリラックスさせ、副交感神経の活動を活発にすることから、消化機能を高める作用があります。さらに、ぬるめのお湯に長く入ることは、末梢の血管も拡張してくれるため、結果として全身の循環もよくなります。つまり、ぬるめのお湯に長く入浴することが、内臓機能を高めカラダを温めるコツといえます。

「食養生」

この季節の旬は里芋です。里芋は辛味の分類であり、気分を明るくし、カラダのコリなどをほぐす作用があると同時に、カラダを温め、滋養強壮にも良い食材です。なお、山芋は甘味の分類で、体力をつけ、滋養強壮にはとても良い食材であると同時に、アンチエイジング効果も期待できます。

「お勧めのツボ」

大寒を乗りきるためのおすすめのツボは陰陵泉いんりょうせんです(図表1)。陰陵泉はスネの内側を下からヒザに向けて擦り上げ、指の止まるところです。このツボは、カラダを温めてくれるだけでなく、消化機能の改善や婦人科疾患にも効果的。イタ気持ちいい程度に10秒程圧迫し、5秒空けて5回程度刺激するようにしましょう。なお、足の内くるぶしあたりが触って冷たい場合はドライヤーで温めたり、お灸を行うことがお勧めです。

イラスト=uatelier(イラストAC)