エネルギー産生を活性化させる呼吸法と食物成分を知る

【タイプ別:エネルギーを循環させる方法】

東洋医学では冬はカラダが冷える時期で、体内の活動が低下し、循環も低下するとされています。

一生懸命頑張りすぎている頑張り屋さんタイプの人は、カラダを温めたり、緩めたりすることで、全身の循環を良くすることが大切です。特に下腹部にある下丹田と呼ばれるポイントは、姿勢と呼吸の中心といわれ、全身のバランスを整えるポイント。下丹田を温め、丹田を意識した呼吸を行うことは、自律神経のバランスを改善し、ストレスや疲労の改善、免疫力の向上など、さまざまな効果が期待できます。

丹田呼吸は、自律神経を調整できる呼吸法です。まずイスに腰掛けるか、下半身が安定するように軽くあぐらをかいて床に座り、その後、背筋を伸ばして軽く目を閉じ、右手または両手を「丹田」に置きます(丹田はヘソから5cm下の部位で、その奥5cmほどの位置)。次に手を置いた丹田に意識を集中させて、カラダの中にある空気をすべて口から吐き出した後、鼻から空気を吸い、少し長めに口から吐きます。慣れてきたら息を吐く時間を徐々に長くしながら、10回程繰り返しましょう(図表2)。なお、ポイントは、息を吸ったときお腹が膨らみ、吐いたときお腹がへこんだ状態になっていること。また、丹田部分にお灸やカイロを貼り、温めることもお勧めです。

①丹田に両手を添える。②下腹に圧をかけながら口から息を吐く。③吐ききったらゆっくりと鼻から息を吸い込む。

生活リズムが乱れによっておこる生活習慣タイプは、代謝を上げる食習慣で、エネルギーを巡回させましょう。まずは規則正しく、3食しっかり食べましょう。食事を摂ると消化吸収のために副交感神経が優位になり、エネルギー代謝が活性化されます。また、最近は簡単にエネルギー摂取できるスムージーなどを多用する人もいますが、噛むことで代謝が上がるので、ぜひ、歯ごたえのある食材で食感を楽しみ、代謝を上げるようにしましょう。

特に生活習慣タイプの人は、冷たい飲み物や食べ物で、体温を下げたり、内臓の働きを鈍くしたりしているため、冷たいお茶より温かいお茶、冷たい蕎麦より温かい蕎麦など、可能なら温かいものを選ぶようにすることが大切です。また、代謝を上げてくれる食材選びも重要。基礎代謝を上げる食べ物には、「カラダを温めて内臓の働きをよくする」成分として、カプサイシン(唐辛子・チリペッパーなど)、ショウガオール(ショウガ)、硫化アリル(ネギ、玉ネギ、ニンニク、ニラ、ラッキョウなど)、ビタミンE(かぼちゃ、さつまいも、ウナギ、アーモンド、ゴマなど)が、「筋肉のもととなって脂肪燃焼をサポートしてくれる」成分として、リジン(魚介類、肉類、レバー、牛乳、チーズ、大豆、白花豆など)、アルギニン(鶏肉、豚肉、カツオ、大豆、ゼラチン、落花生など)、アラニン(鶏肉、しじみ、ホタテ、イカ、サワラ、シラス、アジなど)があります。さらに、「糖質の代謝を助けてくれる」成分として、ビタミンB1が、「脂質の代謝を助けてくれる」成分として、ビタミンB2をはじめとするビタミンB群(豚肉、レバー、ウナギ、青魚、マグロ、カツオ、サケ、卵、牛乳、玄米、納豆、大豆製品、豆類など)があります。