辛いもの好きの女性や、発汗を気にしないスポーティーな女性が増えてきた。消費者心理が専門の高井尚之さんは最近の女性の変化について指摘します。高井さんが平成生まれの女子会社員たちと開催した“火鍋会”で見えてきた、イマドキ女子が飲食業界に求める新たな価値とは――。
※写真はイメージです(写真=iStock.com/Tomwang112)

「辛いもの好き」女性が増えた

最近、仕事仲間の女性と話していると「辛いもの好き」が増えたように思います。

もちろん以前からそうした傾向はあり、例えば男同士で「飲み会」をする場合、エスニック料理店を選ぶケースはほとんどありませんが、女性は結構好きですよね。少し前も「六本木でランチしましょう」と女性経営者(30代)に誘われて、出かけた先がタイ料理の人気レストランでした。

ただ、どうもエスニックとはひと味違う、「辛口」な女性が目立つのです。といっても激辛一辺倒ではありません。

例えば冬の定番・鍋料理でも、数年前から「火鍋」が人気となっています。火鍋とは煮込みながら食べる中国由来の鍋料理で、しゃぶしゃぶに似ています。店によってさまざまですが、鍋が2つに仕切られていて、違う種類のスープが入り、辛味も人気です。

「先日、ランチでモンゴル火鍋の店に行きました。1人鍋ができる店もあるから気が楽ですよね」(40代の女性。企画職)
「ふだん飲料の開発に没頭しているので、人とごはんを食べる時は、息抜きにたくさん食べます。ワイワイ楽しめる火鍋も好きですね」(30代の女性。開発職)

30~40代の働き盛りの女性からはこんな声を聞いてきました。今回は後輩世代にあたる平成生まれの女性会社員3人と一緒に「火鍋会食」を実施しました。その様子を紹介しながら考えることにしましょう。