フェイクニュースのネズミ講的拡散
「ツイッターはRT(リツイート)によって、もともとの発言をどんどん拡散していけるシステムがあります。あくまで例ですが、私が『烏賀陽弘道の新刊が出ました。大人気です!』と投稿し、その後A、B、C、D……と偽アカウントでRTし続ければ、すぐに情報を拡散できる。私の本がすごい注目を浴びていることにできるワケです。私はこれを“フェイクニュースのネズミ講的拡散”と呼んでいます(苦笑)。だから恐ろしい勢いで拡散するニュースは、最初から疑ったほうがいいですし、安易にRTしないほうがいいのです」
ネズミ講的に拡散していく情報は事実より、フェイクニュースのほうが伝わる速度が速い。人間は扇情的な数字や情報におどらされやすいという心理を持っているからだ。
ニュースに数字が含まれているほうが、情報が具体化し、それが正しい情報であるかのように受け取られがちである。繰り返しになるが、情報をうのみにせず、どんなメディアで紹介されているのか、誰が発言しているのかなどを確かめることはマストなのだ。
早稲田大学教授
1960年生まれ。大阪大学博士。米国連邦議会上院予算委員会補佐官を務める。2017年より現職。著書に『トランプ大統領とアメリカ議会』(日本評論社)ほか。
烏賀陽弘道(うがや・ひろみち)
フリージャーナリスト
1963年生まれ。京都大学卒業後朝日新聞社に入社。AERA編集部を経てフリージャーナリストに。著書に『フェイクニュースの見分け方』(新潮新書)ほか。
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ファッション系出版社、教育系出版事業会社の編集者を経て、フリーに。以降、国内外の旅、地方活性と起業などを中心に雑誌やウェブで執筆。生涯をかけて追いたいテーマは「あらゆる宗教の建築物」「エリザベス女王」。編集・ライターの傍ら、気まぐれ営業のスナックも開催し、人々の声に耳を傾けている。