“フェイクニュース”という言葉は、米国のトランプ大統領が、大統領に当選した時期から、世界的な流行ワードになりました。そこには嘘の内容以外に、フェイクの“数字”も横行。そんな現象がなぜ起きるのか、そしてだまされないためのすべを2人の識者に聞きました。

“誤解”“誇張”で都合のいい数字を使う

“フェイク(FAKE)”とは日本語で“偽”という意味。でっち上げの内容や数字がメディアを騒がせている。米国のトランプ大統領についての著作がある中林美恵子さんが、なぜ大統領にフェイク発言が多いのかについて語った。

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「彼は、それまでの米大統領と違い、SNSを使った発信や、アドリブ演説で世論に訴える“身近な庶民派”がウリ。特に彼が好きなツイッターでは、思いつくまま、つぶやきたいがままを投稿できるので、自分の発言の正確さには重きを置いていないようです。発表する数字も同様です」

米有力紙のワシントンポストやニューヨークタイムズがファクトチェックを行ったことで、フェイクや不確かな情報が露見した。しかし、超大国の絶大な権限を握る大統領が発信する数字は、本来なら厳密であるべきだ。裏どりもしないままに発信するということはあるのだろうか?