次に、それらをスケッチブックなどに貼ってコラージュをつくる。それができたら、言葉に落とし込む作業も忘れてはいけない。それぞれの画像の下に好きな理由、好きな要素などを短いキーワードで記す。

完成したら、部屋の目立つ場所に張り出す。すると、今の自分を形づくる好き&関心を一覧化することができ、この「偏愛コラージュ」がビジョン思考をつなぎとめる柱となる。

人の脳は視覚タイプ、聴覚タイプ、体感覚タイプの3つに分かれるといわれている。同じものを知覚しても、脳のタイプによって処理の仕方や表現が異なるのだ。しかし、僕は新しいものを生むには、どれかひとつを使った処理・表現ではなく、体感覚→視覚→聴覚の順序で考えることが望ましいと思っている。「なんとなく気になる」という直感的な体感覚からスタートし、アイデアを具体的な絵にして考え、最後に名前をつけるという流れで妄想をふくらませてみよう。

Point
●A3のスケッチブックまたは大きめのコルクボードを用意する
●好きな画像をプリントアウトし、スケッチブックに貼っていく
●画像の下に好きな理由・要素を短いキーワードで書く
●常に見えるところに張る

「紙×手書き」で自分の感情を引き出す

妄想クエスチョン

自らの感情にアクセスするために、まずは他人モードの思考がまったく書き込まれていない、まっさらな状態のノートを1冊用意してほしい。これが空間的余白だ。PCやタブレットなどのデジタルデバイスに慣れ親しんでいる人にとっては、紙のノートに手書きするのは非効率で面倒に感じるだろう。しかし、デバイスの画面に向き合っているとメールが届いたり、SNSのプッシュ通知が目に入ったりと、他人モードに引き戻されてしまう。自分モードを取り戻すには、紙×手書きが1番だ。

いよいよ感情をアウトプットする練習「ジャーナリング」をしていくわけだが、毎日決まった時間に書くようにする。これが時間的余白だ。ノートには過去のことではなく、今感じていることを記述しよう。他人に見せるものではないので、心の奥底にある感情をありのままに吐き出してほしい。ただし、最後は必ずポジティブな言葉で締めくくること。これを1カ月も続けていると、次第にむき出しの自分が見えてくる。

ジャーナリングの1つの方法として、「妄想クエスチョン」を紹介しよう。妄想クエスチョンでは「もし3年間自由な時間ができたら、何をしたい?」などといった妄想を触発するクエスチョンを自分に対して設定する。僕らは大人になる過程で実現可能性の壁を学び、発想にストップをかけるように習慣づけられているので、その制約を外すためにも途方もない設定を質問に組み込むといい。