社長面接では失敗も!? 役員、さらに常務に昇進
「面接でキリンホールディングスの社長に問われたことにうまく答えられなかったんです。会社がこういう状況になったら経営サイドとしてどうするんだということを厳しく問われましたが、ふだん考えていない要素もあって、うまく話せない。なんとか答えましたが、終わって『うわぁ、全然ダメだな』と思いました」
しかし、結果は昇格。さらに、19年春、常務というキリンビールの女性で前人未踏の立場になった。
「考えなければならないことはたくさん。20年、30年先を見て、ビール造りに役立つ技術を開発していかなければならない。会社を将来にわたりお客さまに支持されるようにしなければならない。それと同時に、働いている人たちにやりがいを持ってほしいという思いが強くあります」
工場という現場に立ち続けているだけに、働く人を見る目は温かい。
「私の経験から言えるのは『置かれた場所で咲きなさい』というように、与えられた役割を全うすれば必ずプラスになるので、しっかりやったほうがいいということ。仕事が好きではないからと、それこそ後ろ向きになって腐り、表面でこなそうとすると、その時経験できるものを経験しないで終わってしまう。仕事を深掘りし結果的にプラスにできるかどうかは自分次第です。いつか訪れるチャンスを活かすためにもポテンシャルを高めておいてほしいですね」
役員の素顔に迫るQ&A
Q 好きな言葉
チャンスを活かせる自分になろう(自分の言葉)
Q 趣味
料理と晩酌
Q ストレス発散
ゆるゆるジョギング
Q 愛読書
上橋菜穂子著「守り人」シリーズ
Q Favorite item
ゴルフボールケース
テディベアのようなゴルフボール入れ。「ゴルフは50歳を過ぎて始め、スコアは上がらないけれど前向きにやっています」
キリンビール 常務執行役員 生産本部 横浜工場長
佐賀大学大学院農学研究科を修了し、1988年に体外診断薬製造メーカー入社。92年、キリンビール入社。福岡工場、神戸工場、横浜工場、栃木工場などに勤務し、2015年に女性初の工場長となる神戸工場長に。17年に横浜工場長、19年に常務執行役員。
撮影=強田美央