仕事を続けながらの介護は大変。どうすれば周囲の助けを得られるか、年々強くなっていく親の要求にはどう応じればよいのか……、悩みは尽きません。カリスマ介護アドバイザーと呼ばれる横井孝治さんが教える年末年始に考えたい親の介護のこと。

※本稿はAll Aboutモヤフォー研究所『すててもやめてもうまくいく』(WAVE出版)の一部を再編集したものです。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/imacoconut)

仕事を辞めても介護はラクにならない

「自分しか親を介護する人がいない」「仕事と介護の両立に疲れた」と仕事を離れ介護に専念する方は年間約10万人。

仕事を辞める決断をした方にアンケートを取ってみると、仕事を辞めた後の方が経済的にはもちろん、精神的、肉体的にも負担が増えたという結果となり、「仕事を辞めても介護はラクにならない」ということがわかりました。

仕事を辞めて毎日の介護に明け暮れ、親と向き合うだけの生活は、外の世界から遮断されてしまったかのような閉塞感や孤独感を感じるものです。100%意識が介護にしか向かないから、辛いことも100%引き受けることに。

仕事をしていたときには出来た、「ちょっと忘れる瞬間を持つこと」や「気晴らしをすること」が出来なくなってきます。

また、収入もなくなるので、経済的不安も押しよせます。基本的に人は仕事を辞めると不幸になってしまいがちなのです。

ひとりではどうにもならないのが介護

「介護=仕事を辞めなくてはいけない」という思い込みを捨てましょう。反対に、「仕事を辞めない」という強い意志を持つことが重要です。

今の仕事や生活を大事にしつつ、職場の人、上司、夫、親族、遠慮なく周囲に相談しサポートを受ける。また、さまざまな制度やサービスを利用するなど、あらゆる手を尽くして介護をしていきましょう。

ひとりではどうにもならないのが介護。ひとりで背負って仕事を辞めるのでは、無理をして自分がやられてしまうのが目に見えています。

介護を続けるためにも、自分の今の生活を守ること。仕事をし続けることが必要です。