不確実性の高い時代に求められること
地域活動の情報にアンテナを張る
高齢化や人口減少、空き家問題が深刻な地方では、すでにさまざまな取り組みがなされています。事例を知ることで、いざというときの“傘”になるのではないでしょうか。
例えば、介護ボランティアをすることでポイントをもらい、それを実質的に公的介護保険料に充当できる取組みが、一部の自治体で行われています。“労働”が社会保険料として機能するとても興味深い取り組みです。
また、地域のボランティア活動を行うこと等で、地域内で使える地域通貨を得て、域内のレストランなどで食事ができる取組みもあります。地域通貨のすべてが成功事例ではないので、まだ留意する点はあると思いますが、長く続いているものの中には、住民の安心につながるような取り組みを行っているところもあります。域内でお金と人との交流・循環が生まれれば、心を込めてお金を回すことができそうです。
対象者をひとり親に限ると、自治体内への移住を促しながら、介護事業所での従事を斡旋しつつ、生活の補助を行ってくれる自治体の例もあります。
こうした情報は多額の広告宣伝費をかけて広めることが難しいため、私たちが能動的に情報収集することが大事です。だまって入ってくる情報は、基本的に支出を促すものでしょう。
自分の住まいの自治体のホームページを見てみたり、ネットニュースや雑誌、書籍などで地域の活動をキーワードにしたものは気を付けておくなどして、少しずつ関心を広げてみるといいと思います。
柔軟性を持つ
金融危機に関わらず、これからの日本社会は非常に大きく変化する時代を迎えます。これまでの常識や他の人に捉われることなく、心を柔軟にして、適宜判断していくことが非常に重要になってくると思います。人任せにせず、自分で考えて、自分で決断することです。何かに迷ったら、ご自身が楽しい方、笑顔になれる方を優先して選択していただきたいなと思います。
心の柔軟性は、不確実性の高い時代こそ、もっとも求められる資質ではないかと思います。
これから日本社会はどのようになるのでしょうか。
私自身も本当に頭の中がごちゃごちゃになるくらい考えていますが、よく分かりません。いまも勉強中です。
ただ、上記に挙げたことは、これまでの家計相談の経験を通して、家計にとってきっと大事であろうと思うものです。何か少しでも参考になればうれしいです。
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1973年、埼玉県生まれ。生活マネー相談室代表。「家計の見直し相談センター」を経て2013年7月独立。個人相談を中心に執筆、講演を行う。著書に『お金の不安に答える本 女子用』など。