経済クラッシュはいつ起きてもおかしくない
家計相談からも分かるように、いまの複雑で広範囲につながる世界の金融市場がひとたび大混乱となれば、決して対岸の火事ではなく、私たちの生活(家計)に多大なる影響を及ぼします。
会社員であっても、自営であっても、生活再建にはやはり職あってのことだったわけですが、当時、非正規の方々含め、多くの方が失業に追い込まれました。
注目に値するのは、この時期の生活保護受給総世帯数の増え方です。生活保護の総世帯数の推移をみると、2008年の1年間で増えた世帯数に比べ、リーマンショックの翌年である2009年では、なんと3倍ほどに一気に増えているのです。2010年もその増加傾向は弱まることなく、リーマンショック後に生活保護の受給総世帯数は大きく増えました。伸びは鈍化したものの、総世帯数はいまも(直近のデータまで)増え続けています。株価は戻っても、元の生活に戻れていない人々がどれほどの数いるのでしょうか。リーマンショックの影響は、いまだ終わっていないのです。
リーマンショックから11年が経過しました。
過去の金融経済クラッシュを考えると、いつ再び起きてもおかしくないのかもしれません。金融市場の規模がますます膨らんでいるいま、次のクラッシュはリーマンショックをしのぐ規模になるかもしれません。
ご存知の方も多いと思いますが、日本では2016年2月からマイナス金利を導入しました。その影響が金融機関に及んでいます。
朝日新聞の記事によると、地方銀行の2019年3月期決算では、全体の7割に相当する72行で減益・赤字転落。記事では、各地銀の経営に影響を及ぼす共通の背景として、マイナス金利の影響以外に高齢化による預金の積み上がりや、人口や企業の減少による貸出先の減少を挙げています。