若者の「初任給希望額」は?

【原田】次はもう少し近い将来の話で、初任給の希望額はどのぐらいかな? 僕が入社した頃の初任給は額面で17万円ぐらいが普通だったけど、最近は段々と上がってきているよね。

【丹羽さん】えーっ、17万じゃ全然暮らせないですよ。東京で働くとしたら家賃も高いし。生活費を引いても、少し好きなものが買えるぐらいのお給料はほしいですね。まだ働いたことがないので具体的にはわからないけど、23万〜24万ぐらいなのかな。

【長谷川さん】東京で1人暮らしなら、月収25万はないとキツイと思います。私は奨学金の返済もあるので、節約するとしてもそれぐらいはないと厳しいかな。やっぱり手取り25万円ぐらいもらえる会社に就職したいですね。

【原田】今、大卒の初任給は平均20万円ぐらいだよ。と言っても、ここから税金や社会保険料が引かれるから、実際にもらえる額はもうちょっと少ないんだ。長谷川さんの「手取り月収25万」を実現するには、かなり給料のいい会社に入る必要があるね。

「初任給30万円」を条件に就活したワケ

【浅見さん】私は今4年生で、もう内定をもらっているんですが、初任給は30万円の予定です。私は結構お金を使っちゃうほうなので、就活の時から自分の1カ月の出費に合った額がもらえる会社に行こうと決めていました。

自分の出費に合った給料をもらえる会社に行こうと決めて就活した浅見さん。

【原田】初めから給料に重点を置いて就活したんだね。初任給30万円はかなりの高収入だけど、なぜその額が必要だと考えるようになったの?

【浅見さん】あらかじめ、今自分が使っている家賃や生活費、ショッピング代、交際費なんかを全部計算したんです。それと結婚資金も貯めたかったので、毎月の貯金額も考えて。その合計額を基準にして会社を探しました。

【原田】それはすごいな。1カ月に必要な額をきっちり算出した上で就活したわけだ。月収が高いとかっこいいとか、お金持ちになりたいとかじゃなくて、自分の生活スタイルに合った収入を自分で稼ごうと考えた結果なんだね。丹羽さんや長谷川さんも、自分に必要な額を考えた上で希望額を答えている。年収に関してもそうだったけど、皆、動機は意外と堅実なんだね。