小学校受験に合格する子ども5か条

一緒に歩くことで、今日の天気や気候、道ばたの草花や虫、空の雲、建物や行き交う車……多くのものに五感は刺激を受ける。五感を使い脳が刺激されることで、記憶力・創造力・発想力・頭の回転が良くなるのだとか。

「5歳の子どもの集団を横に一列に並ばせたとき、長時間しっかりとまっすぐ立っていられる子どもは、よく歩いている子どもです。よく歩くことで足腰が鍛えられ、フラフラすることなく、しっかりと立っていられる忍耐力がつきます。また、たくさん歩くことで、食べる量が多くなり、夜の寝つきも良くなります。『よく見、よく聞き、よく考えて、的確に判断し敏捷に行動する子ども』これがいわゆる小学校受験に合格する子どもです」と宮田先生は語る。

日常生活の中で「見ること」「聞くこと」「自分の頭で考えること」を意識するような雰囲気を家庭のなかで作ることが、受験対策になるのだ。

子どもと一緒にいる時間が専業主婦より短いからこそ、限られた時間の中で子どもと丁寧に向き合うように心がけること。時間の使い方を工夫して受験対策をすることで、受験を乗り越えることは可能になるだろう。

共働きであることを謙虚な姿勢で伝える

学校側としては、保護者が学校のお手伝いに参加することは可能であるか、緊急時に保護者が学校に来られるかどうか、ということが気になる。

「“一番に子どものことを考えております”という姿勢が大切です。面接では、共働きであっても子どものことを最優先に考えていること、家族が一致団結して協力し合う体制ができていることを伝えましょう。子どもと過ごす時間が少ないことに罪悪感を持つのではなく、『働くママ』である前に『○○ちゃんのママ』という自覚を持ちながら、生き生きと自信を持って働いている姿を子どもに見せましょう。そして、易しい言葉で、仕事の内容や、働くことの喜びなどを伝えられると良いですね。そんなお母さんを見て、子どもは誇らしく思い、『自分も頑張ろう』と思えます。保育園にお迎えに行く際は、どんなに疲れていても毎回笑顔で思いっきり抱きしめてくださいね。親子の絆をしっかりと築き、家庭の中で子どもが愛されているということを実感できることが何より大切です。そんな生活の中で五感を使って自分の感じた物事を自分の力で表現し、考えて行動できる子どもに育っていれば、それで小学校受験には十分に対応できるのです」と宮田先生は語る。

働くということは人間として深みが増し、それは子ども、家庭に還元されていくのであろう。それを常に意識しながら、ワクワクした子育てをすることが大切なのかもしれない。

日々の仕事を通じて得られる情報感度や情報の取捨選択、効率的な時間の使い方、周囲に惑わされず揺るぎない軸を持つ働くママのスキルを活かして小学校受験に挑戦するのも、選択肢の1つに入るのではないだろうか。

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二宮 未央(にのみや・みお)
ライター

幼児期をニューヨークで過ごし、帰国後に小学校受験を経て私立聖心女子学院初等科へ入学。私立聖心女子専門学校保育科を卒業。幼稚園教諭を経て、2007年に結婚。出産・育児に入る。主婦として家事全般や2人(長男、長女)の子育てにいそしみつつ、保育士としても活動。保育園新規開園の立ち上げも経験する。16年からエアー・シンフォニーに所属。17年、「宣伝会議」の編集・ライターコースの卒業制作で最優秀作品賞を受賞。著書に『小学校受験バイブル』(あさ出版)がある。