味方が増えると思えば楽しい

「投資してくれるということは、私たちの味方になってくれるということ。資金調達は大仕事ですが、味方が増えると思えば楽しい!」

前向きな精神を持ち、失敗しても、「時間の無駄だから」落ち込まない。無敵――そんな言葉が似合う平野さんだが、いわく、「私の能力は凸凹で、苦手なことがとても多いんです」。

できないことは「まるっと人に任せる」のが流儀。仕事はチーム戦。素直に人に協力を仰ぐこともリーダーとして大事なことだと考える。そして、何よりも効率を重視。

「私は、息をするレベルでできる得意なことしかしません。メンバーにも、苦手なことはしなくていいから、得意なことを伸ばすように伝えています。そのほうが圧倒的に生産性が高くなりますよね」

自分の得意なことを生かす姿勢は趣味のスポーツにも通じていた。

「自信があるのは、筋力、体幹に柔軟性。私の特性を発揮できるのはキックボクシングです」

バシュッ、バシュッ。キレのある音を立て、全力でミットを蹴るのはストレス発散によさそうと思いきや、「ストレスはないんです」とほほ笑む。

何事も楽しいから、やる。それに尽きる。人工知能という複雑な技術で世界一を目指すリーダーの原点は、潔いほどシンプルだった。

▼My Favorite【私のマストアイテム】

運気を上げるお守りは夫からの贈り物
同じ起業家でよき理解者でもある夫から、たびたび贈られるのはお守り。「妊娠したときは安産祈願、資金調達にかけ回っているときは金運のお守りをもらいました。今、持ち歩いているのは勝負運を上げるお守りです」
独自配合のプロテインで効率よく栄養補給
2児の母でもあり多忙な毎日。食事をする時間さえも惜しい。「腹持ちがよく美肌にいいといわれる大豆のプロテインに、ショウガパウダーとクエン酸を加えてシェイク。朝食やランチにいただきます。私の大事な栄養源です」
一瞬も無駄にしない! 私と世界を結ぶイヤホン
タクシーでの移動時間を有効活用するために、5年ほど前からマイク付きイヤホンを使っている。「社内の会議はイヤホンを通して参加。メールを音声入力するのにも役立っています」。ポーチにしまって肌身離さず持ち歩く。

文=安井 洋子 撮影=枦木 功 撮影協力=リバーサルジム東京スタンドアウト

平野 未来(ひらの・みく)
シナモン社長