どう評価されるかよりどう貢献するかを考える
2つめは、スタッフ職も管理職も社長も、所詮は「役割」であると考えること。もしかしたら、相談者さんの喪失感の一因は、今回の異動を降格ととらえていることにあるのかもしれません。でも、仕事上の立ち位置は、人間としての尊厳や誇りと直結するものではありません。社長も、偉いのではなく、責任を担う役割というだけのことです。
今はどうしてもキャリアのことばかり考えてしまうと思いますが、自分の人生の落としどころは「会社」ではなく「自分」なのだということを忘れないでください。人生をどう生きていきたいかは、会社ではなく自分が選ぶのだと考えられるようになれたら、未来に対して前向きな気持ちが生まれるのではないでしょうか。
もう一つ、会社がどう評価してくれるかと悩むよりも、自分がどう貢献できるかを考えたほうが気が楽になると思います。長く勤務されているそうですから、会社に対しては愛着もお持ちでしょう。その愛着ある会社に、あるいは目の前のプロジェクトに、どう貢献できるか考えてみてはいかがでしょうか。
相談者さんには営業職とスタッフ職、両方の経験と実績があります。少し心に余裕を持つだけでも、他の人には見えない、自分だけに見える景色があることに気づけると思います。社内人脈もあるでしょう。これらはまぎれもなく貴重な資産です。この資産は出し惜しみせず他の人と共有してもいいし、新たなチャレンジに生かしてもいい。相談者さんが自由に使えるものなのです。
仕事漬けの時には持てなかった余暇の時間を生かして、自分の満足感や幸福感の在りかを探してみるのもおすすめです。満足感や幸福感は、人生はもちろん仕事に取り組む上でも重要なものです。47歳という年齢は、経験もあり未来もまだまだあるすばらしい時期。この時期にダイナミックな変化の機会を持てたことを、「よかった」と思えるようになっていただけたらうれしいですね。
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1976年生まれ。鹿児島女子大学卒業後、北京清華大学へ語学留学。帰国後、旅行代理店に入社。退職後に派遣社員となり、数社を経て2007年ポーラ・オルビス ホールディングスに派遣。同年ディセンシアに出向、正社員となる。CRM統括部長、取締役を経て2018年より現職。