まずはクリニックの説明会に参加
ひと口に不妊治療といっても、体の状態、どんな治療を選択するか、さらにクリニックの治療方針によっても、内容は大きく変わります。
月花先生がおすすめするのは、まず、いくつかのクリニックの説明会に足を運んでみること。不妊治療の流れをつかみ、体外受精の知識も付けておくことは、妊活のイメージをつくるためにも有効です。
「いざ検査を受けようと思っても、まずどこの病院に行ったらいいものか、と悩んでしまう方も多いと思います。多くの不妊治療専門クリニックでは、説明会やセミナーを実施していて、通院中ではない患者さんも受け入れているところがほとんどです。通いやすそうなところをピックアップして、いくつか参加してみるといいでしょう。また、クリニックの説明会への敷居が高いと感じる場合は、まず簡単なスクリーニング検査は通いやすい近くの病院で実施し、体外受精の必要性まで感じる場合に、通院の可能性のあるクリニックの説明会に参加するのも一つでしょう」
情報はネットよりセミナーで収集
セミナーへの参加は、妊活に対する夫婦の意識をすり合わせる効果も!
「治療と仕事を両立するためには、パートナーがどれだけが協力的か、治療に対する理解をしているかも大きなポイント。通院するのは主に女性ですが、男性も助成金の申請をしたり、治療内容を把握して妻の精神的なサポートをしたりと、できることはたくさんあります。
説明会は、女性1人でももちろん参加できますが、できればぜひご夫婦で足を運んでみて。赤ちゃんを授かったあとの育児のことを考えても、夫婦で同じ方向をみて妊活期間を過ごし、協力体制をつくっていくことは大切ですね」
不妊治療についてある程度の知識を持っておくことは、治療中の仕事の仕方などをシミュレーションするうえでも必要なこと。セミナーは無料で受けられる上、説明を担当するのは実際に治療をする医師や培養士などのプロです。ネット検索などで膨大な情報から取捨選択を迫られるよりも、ずっと手っ取り早く、情報も正確だといえるでしょう。
「こんなに通院が必要なんて」「一方的に通院日を決められてしまうなんて」といった、知識不足からくるギャップに戸惑うこともなくなるはずです。
次回は、仕事との両立を左右する「クリニック選び」のコツについて伺います。
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東京・新宿にある不妊治療専門クリニック杉山産婦人科に勤務。 産婦人科領域で事業展開するヘルスアンドライツのメディカルアドバイザーを務める。 共著書に『やさしく正しい 妊活大事典』(プレジデント社)、 監修メディアに「性をただしく知るメディア Coyoli」がある。