キャッシュレスの意外な落とし穴とは
今回の増税の緩和策として目玉となっているのが、キャッシュレス決済をすることによるポイント還元。キャッシュレス決済をすると、現金での支払いとは違ってポイントがもらえたり、割引が受けられたりするため、とてもお得です。
2019年10月から、対象の中小店舗でキャッシュレス決済をすると5%、大手チェーンのフランチャイズ店舗なら2%の還元が受けられます(2020年6月30日までの予定)。すでに対象店舗であることを示すポスターが貼られているお店もちらほらと見られます。
ですから、これを機にキャッシュレス決済を利用すれば、増税の影響をカバーできるでしょう。
とはいえ、「キャッシュレス決済だとついつい使いすぎてしまいそうで怖い」という意見もよく聞かれます。事実、キャッシュレス決済に関するさまざまなアンケートで、「使いすぎ」は、デメリットの上位に挙げられています。確かに、キャッシュレス決済では現金の動きが見えませんから、使い過ぎてしまいがちに。節約のためのキャッシュレスなのに、使いすぎてしまっては本末転倒です。
キャッシュレスの使いすぎを防ぐ方法
使いすぎを防ぐいちばんの方法は、前払いか即時払い(即時振替)のキャッシュレス決済を使うことです。
前払いは、事前に現金をチャージする決済方法です。プリペイドカードや電子マネー、スマホ決済の銀行口座からのチャージなどが該当します。
また、即時払いは、利用するとすぐに銀行口座から現金が引き落とされる決済方法です。代表はデビットカードですが、スマホ決済にも即時払いができるものがあります。
この2つに共通するのは「お金がなければ支払えない」ということ。後払いのクレジットカードなどでは、今お金がなくても購入できてしまいますが、前払いや即時払いでは、それができません。ですから、前もって予算を決めて、その金額だけを入金しておけば、使いすぎることはないはずです。
せっかくキャッシュレス決済による還元が制度として導入されるのですから、使わないのは損! うまく使いこなしていきましょう。
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慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。全国で講演・執筆活動・相談業務を行い女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。著書は『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年前後のお金の強化書』(きんざい)など多数。FP Cafe運営者。