「なでしこ銘柄」とESG投資を要チェック

【原田さん】IRの話でいうと、経済産業省が東京証券取引所と共同で選定している「なでしこ銘柄」というのがあります。女性活躍推進に優れた上場企業が毎年選ばれているんですが、特にそういった企業は女性の社員を増やしたり、女性管理職を育てたりすることに力を入れているので、女性が社内で伸び伸びとチャレンジしやすいと思います。そういう企業が増えれば増えるほど、上場企業が「ウチも負けていられない!」となるはずなので、今後ますます女性が活躍する場が増えていくのではないでしょうか。

【下田さん】あとはESG投資も、世界的に注目されていますね。ESG投資とは環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)に配慮している企業を重視・選別して行なう投資のことで、ESG評価の高い企業は事業の社会的意義、成長の持続性など優れた企業特性を持つと言われています。女性はわりと社会に対する問題意識が高いように思うのですが、ESG評価が高い企業であれば普段の生活でも接点がありそうなので、女性も入りやすいのではないかと思います。

資格さえ持っていれば安泰という時代ではない

——転職に向けて持っておいた方がいい資格はありますか?

【畑さん】私、個人的には資格は重視していません。世の中の潮流を見ても、資格で人を取るというケースは減ってきているのではないかと。もちろん企業規模や職種によって違いはあると思いますが、メーカーに限った話をすると特筆すべき必要な資格はないですね。

<流通小売サービス>原田 周作(エグゼクティブ・ボード)

【原田さん】僕も40歳以上のエグゼクティブ層に必要な資格があるかと言われれば、それはないのではないかと思いますね。弁護士資格を持っていようと、公認会計士資格を持っていようと、資格さえ持っていれば安泰という時代ではないからです。

【下田さん】金融業界では「会計の資格を持っている」という話をよく聞きます。あとは証券アナリストや、宅建など。仕事に必要だから頭に入れるという意味で資格を取った人がほとんどで、実際に仕事に役立っているようです。業界的には先述したような資格は持っていて当たり前という雰囲気がありますね。

【畑さん】仕事に結びつけるために手段として資格を取ることは間違っていないと思います。前にもお話しましたが、40歳以上に求められているのは実行力。いかに形にするかということが求められるので、そういう意味では資格を取ることも、立派な企業へのアピールになるかもしれません。