好景気、売り手市場、女性活用など、何かと明るい話題が多い転職マーケットですが、それは40歳以上にも同じことが言えるのでしょうか。そこで、各業界の中途採用に精通するヘッドハンターの方々に、年収800万円以上を目指す40歳以上の転職事情について聞きました。第2回目のテーマは「女性登用が進む職種と転職に必要なスキル」です。
【へッドハンター】
左:<流通小売サービス>原田 周作(エグゼクティブ・ボード)
中央:<金融>下田 由紀(エンワールド・ジャパン)
右:<メーカー>畑 圭一郎(経営者JP)

女性の求人が出やすいのは人事と広報

——業界ごとに、女性の採用が積極的に行われている職種はありますか?

【畑さん】今、日本全体で女性活躍、多様性が叫ばれており、女性の採用に力を入れている企業が多いのは確かです。しかし、それには2パターンあります。

<メーカー>畑 圭一郎(経営者JP)

ひとつめは多様性のある組織の必要性を感じ、「経験のある女性がほしい!」と希望されている会社です。多くの企業はそうなのですが、中には社会的なイメージのために女性を採用しようと考えている会社があるのも事実です。特にメーカーは他の業界に比べると保守的な企業が多く、女性が採用されやすいのは人事、総務、広報などの管理部門ですね。会社の業績に結びつく業務を担当する直接部門(製造や開発、営業・販売など)の採用は、まだまだ少ないです。

【原田さん】確かに人事、広報は女性の求人が出やすいですね。流通・小売・サービス業界に特化した職種でいうと、商品開発、バイヤーなどでしょうか。女性向けの商品を扱っている企業であれば、商品開発に関われる部門などでも女性を積極的に採用していますよ。

<金融>下田 由紀(エンワールド・ジャパン)

【下田さん】金融業界で、あえて女性を採用している職種はないですね。金融業界はあくまでも能力とスキルで職種が決まるので、性別はあまり関係ないように思います。ただ、転職で40代以上の女性がよく入っているのは、審査や経理。あと、最近でいうとIRですね。海外に留学経験のある人や外資系の金融機関にいた、英語力に長けた女性が採用されています。