第三者の視点を持ち、ビジョンを描いて共有する

でも、ビジョンが大きくなればなるほど、リーダーだけではできないことも増えていきます。そこで大切になるのが同志の存在。例えば、私は文章を書くことが苦手で人一倍時間がかかるので、内容だけ考えてあとは文章が得意な同志にお願いしています。

皆さんにも得意なことと苦手なことがあるでしょう。得意なことは、自分の役割だと捉えてどんどん取り組んでください。そして、苦手なことは遠慮なく同志に任せてください。大切なのは、リーダーなのに何もできないと落ち込まないこと。「できないことを数えるな、できることを把握せよ」。私からは、この言葉を贈りたいと思います。

弊社でも、取締役などの主要メンバーはできる限り社員と話し、彼らの視点を知ろうと努めています。実は、役員は年に2回、社員やビジネスパートナーの前で楽器の演奏やダンスなどのパフォーマンスを行っているんですよ。先生を招いて必死で練習するんですが、もちろん上手にはできません。でも、たまには役員全員で「できない姿」を見せて笑われてでも、努力する姿を見せようと(笑)。実は、私たちにとっても、できないことの悔しさ、先生など他者からほめられることのうれしさを体感する、いい機会になっています。ただし、独りよがりになってはいけません。普段からさまざまな人と話して第三者の視点を取り入れるように努め、ビジョンを描くときも客観性を保ってほしいのです。私が師匠と慕っている方は、「第三者の視点を持てることがプロの第一条件」と言っていました。本当にその通りだなと思います。