通わせる園の質よりも家庭の質
国内外の研究を問わず、養育の質と子供の発達には大きな関係があることが示されています。この「質」とは、その子供が預けられている施設(保育園、幼稚園)の特徴(質)より、親や家庭の特徴(質)の影響が強いことがわかっています。
具体的には、「両親の教育レベルが高いこと」「家庭の収入が高いこと」「情緒的に多くのサポートがあること」「家庭が知的に刺激的な環境であること」「母親が精神的に健康であること」などがあり、これら家庭の特徴は、子供の「言語発達」「知的発達」「社会的行動の発達」「親との良い関係」「実行機能」などと関連があります。
家庭内でどんな養育をしているかは、家庭で大半を過ごす子供と同様に、家庭外で保育を受ける時間が長い子供の発達にとっても、とても重要なのです。
将来の成功のカギは、やり抜く力
親にとって、子供が将来成功し幸せになってくれることは喜びですし、そのために幼少期からたくさんのことを学んでいってほしいと願っています。どこに通わせるか、どんなことを学ばせるか(お稽古)で思い悩むのは、そのような思いがあるからこそです。
ところが、子供たちの将来を決めるのは、子供の頃から知能レベル(IQ)が高いとか、英語やプログラミングができるというような認知能力といわれるものの高さではなく、「やり抜く力」の有無であることが研究から明らかになっています。この「やり抜く力」とは、研究上、実行機能(非認知能力)などという言葉を使って説明されるものですが、「目標に向かって行動し目標を達成する力」のことを指します。