瞑想、呼吸トレーニングで肺を強化し、風邪を予防

「タイプ別・風邪症状の原因」

この時期は気温差が大きくなり、風邪などを引きやすくなります。風邪を引くと肺の機能が落ち、運動量が減少するため、さらに免疫機能が低下しやすい状態をつくります。

一生懸命頑張りすぎている頑張り屋さんタイプの人は、交感神経が亢進こうしんしているために、緊張状態にあり、呼吸が浅い状態です。呼吸に関わる筋肉の1つである斜角筋しゃかくきんのストレッチをしましょう。また、生活リズムの乱れによっておこる生活習慣タイプの人は、ココロの状態を安定させるよう、瞑想する時間を取ることをお勧めします。瞑想は前頭前野の働きを活性化し、脳の機能を高めてくれることで、気分を変えてくれます。

年齢による加齢タイプの人は、カラダの根本である肺の機能が低下してるため、呼吸法を利用して肺を鍛えることが大切です。

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「タイプ別:風邪症状の対処法」

頑張り屋さんタイプの人は、呼吸に関係する筋肉のストレッチを行いましょう。斜角筋のストレッチは手を反対側の頭の真横におき、ゆっくりと首を横に倒した後、天井を見上げるようにアゴを上げることで、伸ばされます。その際、体幹は真っ直ぐにし、肩が上がらないように注意しましょう(図表2)。

斜角筋ストレッチ①片方の手を反対側の側頭部に置く。②腕の方向に頭をゆっくり倒し、天井を見上げるようにアゴを上げる。(左右交互に5回行う)

また、生活習慣タイプの人は、1日1回瞑想を行いましょう。簡単な瞑想法は、目を閉じ、酸素がカラダを巡っているとイメージしながら4秒間深く息を吸い込みます。そして、8秒間かけて息を吐き出します。吐き出すときには、あなたが抱えているストレスがカラダから逃げていくのをイメージします。この呼吸を5回繰り返しましょう。

最後に加齢タイプの人は肺を鍛えるのがお勧め。空のペットボトル(500mL)を用意し、息を吐ききった後に隙間が空かないようにペットボトルの口をくわえます。その後、ペットボトル内の息を吸い込み、ペットボトルを凹ませ、次に息を吐くことで凹みを元に戻すトレーニングを10回程行いましょう(図表3)。

ペットボトルトレーニング①息を吐ききる。②空のペットボトルをくわえる。③息を吸い込み、ペットボトルを凹ませる。④そのままペットボトルの凹みを戻すように息を吐く。10回程度繰り返す。

白露は、秋のはじまりを感じる季節です。朝晩の寒暖差も大きくなり、体調管理が難しくなります。特にこの時期は自律神経の調節がうまくいかなくなり、免疫力が弱まるため、風邪やアレルギー症状が出やすくなります。

そのため、季節がよいこの時期には運動を行うことで筋肉や肺を鍛え、免疫力を上げるように努力しましょう。

「白露の特徴」

● 心身の症状
カラダ:風邪、アレルギー症状(花粉症・アトピー性皮膚炎など)
ココロ:センチメンタルになる

● 季節に多い症状
風邪、アレルギー

● 心身の養生法
筋力や肺を鍛える運動を行う

●食養生に効く食材
山芋、唐辛子

● ツボ
中府ちゅうふ

写真=iStock.com

伊藤 和憲(いとう・かずのり)
明治国際医療大学大学院/養生学寄付講座教授

鍼灸学医学博士・全日本鍼灸学会理事。同大学附属鍼灸センター長。トリガーポイント鍼治療の第一人者であり、慢性痛の緩和治療に精通。現代女性のための、東洋医学に基づく心身のセルフケアも指導している。