移民の受け入れが「人口減少問題」の突破口に
ただ、いくら女性の活躍が望ましいからといって、日本に子どもが必要なくなるわけではない。どんなに優秀な人であっても、やがて老齢化し、そのときに社会を支える若者はつねに必要なのだから。
女性の活躍を推進するとともに、少子化を防ぐための取り組みもおこなう。このことをトレードオフと考えるのではなく、両方進めなくてはならない。そうなると、残る選択肢はひとつに絞られる。移民を受け入れるのだ。
移民は国にアイデアをもたらし、活気を生み出してくれる。アメリカの場合、グーグル、アマゾン、アップル、フェイスブックに代表される刺激的な企業のほとんどは、移民にルーツを持つ人物が創業したものだ。
移民の受け入れを勧めると、多くの人は、「外国人に仕事を奪われる」と言うが、実際は移民が雇用を生み出している。もし今アメリカからグーグルやアマゾンといった企業がなくなれば、どれだけの雇用が失われるかを考えると、そのインパクトがわかるだろう。私が今住んでいるシンガポールも、世界各国の人材を受け入れた結果、今の地位がある。
また、歴史を振り返ってみても、移民は子どもを積極的につくるため、少子化の解消にも貢献してくれるはずだ。日本人女性が子育てに積極的になれないとしても、移民の女性たちが母親になってくれる。これは日本にとって光となる。
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