ウルトラ・ラグジュアリー船を見学

これだけ魅力的なクルーズだが、働きざかりの日本女性に定着してこなかったのは、休みがとれなかったことが一番の要因だろう。例えば地中海ルートは、イタリア、スペイン、フランス、ドイツといった周辺国からの乗客が多く、観光も充実、運行する船会社も多いので船も選べるのでおすすめだが、日程は7泊8日~。日本から飛行機の往復を入れると10日は必要になり、諦めざるをえなかった。ところが、いま日本は「働き方改革」の推進で休みがとりやすくなった。さらにタイムリーにも「質の高い船が日本を就航するようになった」のだ。「機は熟した。今こそクルーズに乗ろう!」という状況が到来している。

では、どんなクルーズ船を選ぶといいか。海外の人と交流を深めるなら、乗客に船の旅に慣れている欧米人客の割合が多い船が狙い目となる。欧米人客が日本発着便でもわざわざ乗船するなら、プレミアム/ラグジュアリークラスの外国船を選ぶ可能性が高い。

そう考えていたところ、今年4月、東京港に“ウルトラ・ラグジュアリー”と称される「シルバー・ミューズ」が初入港した。この船を保有するシルバーシー日本・韓国支社長の糸川雄介さんに聞いたところ、乗客の8割が欧米人旅行客という。「2017年就航の新しい船ということもあり、もともと弊社の客船のファンでいてくださっているお客様の予約が大半です」。

(左)レセプションを入ってすぐのところにあるメインラウンジ「ドルチェヴィータ」。ピアノの生演奏が聞けることも。(右)毎晩ショーが行われたり、シアターにもなるラウンジで、笑顔のスタッフがお出迎え
(左)10Fにあるプール&ジャグジー。潮風を浴びながらプールサイドで日光浴するだけでも気持ちがいい。(右)プールサイドではバンドの生演奏が行われていた。

ビジネス仲間との利用も多い

同船は全長213メートル、高さ11階、乗客定員596名で、298室の客室は全室海側のスイートルーム。Noと言わないサービスで、専任バトラーらが乗客のオーダーに答えてくれる。ディナーはメインダイニングが決まっていることも多いが、この船では8つあるレストランのなかから自由に選ぶことができる。カジュアル船ではアルコールは有料だが、シャンパンを含めたほとんどのアルコールのほか、チップ、諸税がすべて含まれたオールインクルーシブなので、いちいちお金の心配をすることもない。ラグジュアリー船ゆえに、公共の場で静かにできないお子さんがいると難しいかもしれないが、中学生以上のお子さんなら、むしろ英会話やマナーの練習にもなるだろうと感じた。

(左)フィットネスルームのランニングマシーン。窓際に設置されているので海を眺めながら運動ができる。(右)リゾート気分が味わえるスパ。同じフロアに美容室やサウナ、フィットネスルームなどがある。
(左)プールサイドにある、軽食を注文できるグリルのスタッフ。(右)全室がオーシャンビューのスイートルーム。ホテルのスイートルームにもひけをとらない広さ。ルームサービスも24時間対応。

「プライベートで乗船されるお客様が多いものの、欧米では女性同士のビジネス仲間でご利用されるお客様もいらっしゃいます。アメリカでは企業が成績優秀社員への報奨旅行としてクルーズを選ぶケースも多いです。そうした方々は、ディナーを囲みながら新しいビジネスのお話に華が咲くこともあるでしょう。弊社の船はWi-Fiを無料でご使用いただけますから、乗船中でもお仕事をなさる方もいらっしゃいますよ」。全室スイートルームなので、仲良くなった客同士、部屋でちょっとしたパーティーを催すといったこともあるそうだ。「住む場所で人生が変わる」というように、旅先でもちょっと上を目指して新しい世界をのぞいてみてはいかがだろう。

ダイニングは8つあり、乗客はどの店でも食事ができる。写真はインターナショナル料理を楽しみながらジャズの生演奏が聴ける「シルバー・ノート」。