「男性を褒めるさしすせそ」はなぜ有効か

自分のパートナーや男性の家族に対して、“男らしくあってほしい”と願ったり、身近な男性に対し、“男らしい”あるいは“男らしくない”と思ったことがありませんか? そして、男性とのコミュニケーションを取る際に、「男性を褒めるさしすせそ」、「男性に言ってはいけないたちつてと」を意図的にも、知らず知らずのうちにも、活用している人は多いのではないでしょうか。

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さしすせそは、「さすが!」「知らなかった!」「すごい!」「センスいいね!」「そうなんだ!」だそう。自分にはないもの(知識やモノ)を相手がもっている、という立ち位置から相手を褒める、つまり、相手の優位性を強調する相槌です。

これを活用したいかしたくないかはさておき、これらが男性相手のコミュニケーションにおいてある程度有用であることはおそらく間違いがないのでしょう。なぜこの手法が有効なのでしょうか?

※ちなみに「男性に言ってはいけないたちつてと」とは「たいしたことないね」「ちがうんじゃない?」「つまらないね」「適当でいいんじゃない?」「とんでもないです」のこと。

“ハラスメント男”が生まれる原因

伝統的な「男らしさ」という概念に縛られることで、男性達は自らの、そして周囲の人の身体的、精神的な健康を損なう可能性があるという勧告が今年2019年1月、米国心理学会(APA)がまとめた男性に関する指針の一部に記載されています。「男らしさ」という呪縛が男性の精神を蝕むだけでなく、“ハラスメント男”が誕生する原因の一つにもなっているという研究報告もあります。「さしすせそ」等を利用したコミュニケーション手法は、「男らしさ」にしばられた不安定な男心を表面的かつ一時的にサポートする事ができるため有効なのでしょう。

実際、男性は「男らしさ」に対する脅威を感じた時は、より戦争に強く賛成したり、自分に優位性があることを示すような横暴な言動をとったりと、より「強さを誇示」するような反応を示すという研究成果もあります。女性は、こういった男性のメンタリティとうまく付き合う、あるいは、被害を被らないための生存的な術として、相手の優位性を示すような言動をとっているのかもしれません。