固定費&変動費の賢い削り方

となれば、ではどうやって「使い方」を整えていったらいいでしょうか。「支出」を固定費、変動費(やりくり費)に分けて考えると、固定費はノウハウでカットできることが多いです。カットする方法を知っているか知らないか、実行するか実行しないか、みたいなところです。

生命保険の選び方、住宅ローンの組み方、通信費の見直し方、水道光熱費のカット術など、いまやさまざまなノウハウがあります。丁寧に調べて、できるところは積極的に取り入れるといいでしょう。情報は玉石混交のところもあるので、時に専門家に相談するのも手だと思います。

一方、少々やっかいなのが変動費です。家計相談を通した私なりの結論ですが、変動費はほぼマインドで決まります。価値観、考え方、好み、生活スタイル等、少しオーバーにいえば、生き方で大きく決まってくる部分だと思います。実際、変動費の見直しは生活スタイルの変更をある程度余儀なくされるため、場合によってはかなりたいへんな作業になってきます。「分かっていても、削れない」「やめられない」というやつです。

削りたくても削れない支出を削る特効薬

ただし、私から言わせていただくと、削れないのでも、やめられないのでもなく、削りたくないし、やめたくもないのだと思います。そこで、「なぜ」削りたくないのか、やめたくないのか、丁寧に掘り下げていく必要があり、こうなるとご自身のマインドとしかと向き合うことになっていきます。

言うは易し、行うは難しなのですが、そのためのツールとして有効なのがレシートです。現状の「使い方」を知る取っ掛かりとして、レシートは抜群です。

私はお金の使い方には、基本的に2種類しかないと思っています。

いい買い物か、悪い買い物か、
役立つ買い物だったか、役立たない買い物だったか、
生き金か、死に金か。
要は、○か×かです。

めざしたいゴールは、○のウェイトを増やすこと。

人間は完璧ではありませんので、×は完全になくならないでしょうし、そうする必要もないと思います。ただ、×が多いと、単純に貯まったであろうはずのお金をドブに捨てているようなものですから、非常にもったいないし、お金にも失礼というものです。

超簡単!お金使いが上達するワーク

文字数の関係もあるので、今回は簡単に○×チェックの方法をお話するにとどめたいと思います。

まずは、レシートを全て持ち帰ることから始めます。レシートの出ないものはメモを残しておきましょう。そうして1週間分のレシートをためたら、週末にでもその週を振り返るように、レシート1枚1枚も振り返ってみます。いまのレシートは優秀です。日付、時間、お店の名前や場所、買った品目と値段、合計額など、非常に情報が豊富です。

買った品目一つひとつをみて、いいか悪いか、○×をつけてみましょう。このとき、あまり悩まずに直感でつけるといいと思います。悩んだら×の可能性大です。

○×チェックをすると、自身の○のパターン、×のパターンが見えてきます。一人ひとり顔や性格が異なるように、買い物のパターンも異なるものです。パターンが見えてきたら、×をなくす具体的な改善策を立てることにつながります。

具体的な行動に落とし込んで×を少なくさせることができれば、お金は“貯まる”ものです。理由はもうお分かりでしょう、「支出」と「貯蓄」はコインの裏表だからです。

「貯める女」から、「上手に使う女」へ、つまり「貯まる女」をめざしてみてはいかがでしょうか。

写真=iStock.com