お金は「貯め方より使い方」が大事
こんにちは、家計コンサルタントの八ツ井慶子です。
今回は、お金で大事なのは“貯める”ことよりも“使う”こと、というお話をさせていただきたいなと思います。きちんと言うと、ただ使うのではなく、お金の「使い方」が大事というお話です。
前回、「老後資金2,000万円」問題を取り上げ、将来に不足する「老後資金」を試算するよりも、老後不安の軽減には、自身が今後リタイアまでにいくら貯められそうかを試算する「MY老後資金」の方が建設的であるお話をさせていただきました。
もしかしたら「やっぱり貯めることが大事なのね」と思われた方が、少なからずいらっしゃったかも、と個人的に気になりました。
実は、それはちょっと誤解です。ズバリ、お金は“貯める”より、“使う”です。お金の扱い方で大事なのは、どう貯めるかといった「貯め方」よりも、どう使うかといった「使い方」の方が圧倒的に大事である、と私は考えています。ちなみに、このことは家計相談を通して、ご相談者の方々から教わりました。
順を追って、みていきましょう。
家計の構造はシンプル
まず、「家計」の構造を確認します。家計は、「収入」「支出」「貯蓄」の3つから成り立っています。「収入」があって、そこから「支出」を捻出し、余った分が「貯蓄」(あるいは「貯蓄」を取り崩す)となり、このお金の流れを一生涯繰り返すのが「家計」です。
式で表すと、
ということは、
つまり、「収入」は「使うか(支出)」、「貯めるか(貯蓄)」の2つしか行き先はないということです。言ってみれば、コインの裏表。お金は使わなければ貯まる、使ってしまえばお金は貯まらない、ということです。当たり前といえば、当たり前ですね。