世界の本当の富裕層たちは「社交」を通して日々つながっています。彼らは年間を通してどこでどんな社交ライフを送っているのでしょうか。モナコでその仲間入りをして暮らす著者の目を通して、ちょっとのぞいてみましょう。

「社交界」には年間スケジュールあり

世界の本当のお金持ちたちは、どのようなスケジュールで1年を過ごしているのでしょうか。彼らには共通の「社交界」というライフスタイルがあります。この世界は、仕事とは関係なく、スポーツイベント、クラシックカー、映画祭、ファッションショーなどの社交イベントを通じて交わされる「閉ざされた世界」です。

例えば、3月のヨーロッパはサマータイムを迎えます。毎年春の訪れ時に開催される「薔薇の舞踏会」はモナコ公室主催でロイヤルファミリーが出席します。ドバイ競馬ワールドカップも同時期に開催されます。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/yoh4nn)

初夏を感じる5月は、カンヌ国際映画祭、モナコF1グランプリ、クラシックカーコンクール・ヴィラデステが人気です。イタリアやサンマリノ共和国ではクラシックカーレース・ミッレミリアが開催されます。

6月から7月のイギリスの社交界では、全英オープンゴルフ、競馬・ロイヤルアスコット、テニス・ウィンブルドン選手権、ヘンリー・ロイヤル・レガッタと並び、夏の最高峰のスポーツ祭典が行われます。

9月は世界一規模の大きいモナコヨットショー、10月はロンドン、パリ、ミラノでファッションウィークが始まります。

冬のシーズンは、スイス仏語圏のサンモリッツ、スイス独語圏のグシュタード、フランスのクーシュベルでスキーヴァケーションです。このあたりは、スキー場が充実しているのはもちろんのこと、星付きレストラン、超高級ホテル、高級ブランド店が連なり、豪華な別荘シャレー(山小屋)が立ち並びます。最近の北海道ニセコも開発されていますが、その豪華さは比べものにならないほどです。日中のスキーは半日、午後はゆったりとプールやマッサージでリラックスして、夜は社交の時間になります。またサンモリッツでは、世界唯一の氷上のポロゲームが開催され、世界の社交の場としてにぎわいます。

年間を通してさまざまなイベントが開催されますが、世界の本当のお金持ちは毎年これらのイベントで顔を合わせ、社交の輪が広がっていくのです。