「結局私ができるのは、自分に自信を持ってもらい、彼らと就業先の農家をつなぐこと。ホームレスや引きこもりの人の多くは自分に自信が持てず、それゆえ決断できないことも。だから私は彼らのやり方には口出しせずに見守り続けるようにしています。少しくらいプロセスが間違っていても、結果的に野菜が育てば、それが彼らの自信になるんです」
“水やり無し”の農法を、海外に広めたい
小島さんが今注目しているのは「雑草農法」。簡単にいえば、雑草を肥料に活用して、水やりをしない農法だ。また、互いに栄養を与え合う“根粒菌”を土壌中に増やすと肥料が不要に。海外の飢餓に苦しむ地域にもこうした技術を提供し、自給農的なシステムをつくりたいと、目を輝かせる。コトモファームは、現在、約140家族が利用。雑草農法を学ぶために年間のべ500人以上が訪れている。
一方、2018年は台風の被害が大きく、自然の脅威を知った。
「これからはもっと気候変動に向けて対策を練らないといけませんね」
畑を見つめながらそう語る小島さんのまなざしは、とても温かい。
「『できるかできないか』ではなく、『やるかやらないか』」
【好きな本】
『モモ』ミヒャエル・エンデ著/岩波書店
【好きな映画】
『レインマン』/ダスティン・ホフマン、トム・クルーズ主演
【趣味】
野菜づくり。趣味を仕事にしてしまったので。
撮影=キッチンミノル