相手を知ったうえで、お金を預けるのが鉄則
株を買う人の中には、投資対象について自分で調べず、誰かがすすめていたからなどと深く考えずに投資する人が少なくありません。
「株を買うこと=その会社に資金を提供すること」であり、つまりは他人にお金を預けているのと同じようなものです。みなさんは、よく知らない人にお金を貸せますか? たとえ友人でも、信頼関係を築けていない人には貸したくないでしょう。貸すとしたら、性格をよく知る長年の友人などに限られるはずです。
にもかかわらず、投資に関しては、知らない相手に気軽にお金を預けがち。上場企業は、会計数字の内部情報を「決算書」という形で定期的に公表することを義務付けられています。せっかく相手のことをよく知るための情報源があるのですから、それを活用しない手はありません。決算情報に目を通すのと、通さないのとでは、投資の結果に大きな違いが出てくることは明白です。
決算書(財務諸表)というと難しそうですが、隅々まで読む必要はありません。私自身も活用する必要最低限の情報収集の仕方を紹介していきましょう。
会社四季報で会計数字のポイントを押さえよう
ここからは「会社四季報」の基本的な見方を紹介します。日本には上場している企業が3600社ほどあり、四季報はそのすべてを網羅。ただ、それだけあると、1社当たりの掲載できる情報量は限られます。そのぶん、コンパクトに濃度の高い情報が集約されているのが特徴です。
気になる会社の記事には全部目を通すといいですが、投資の判断をするうえで特に重要なポイントを、以下に紹介します。
まずは肝心の業績。利益には売上高、営業利益、経常利益など種類がありますが、特に重要なのは売上高の伸び。しかも、直近だけでなく過去5年程度にわたってずっと順調に伸びているのが望ましいです。
なお、上場企業は決算の実績に加えて、今後の見通し(業績予想)も発表するため、四季報には来期以降の予想も載っています。もちろん、予想も上向きであることが必須です。