次に、現金の流れであるキャッシュフロー(CF)もチェック。営業CF、投資CF、財務CFと3種類あってわかりづらいのですが、本業できちんと儲けているかどうかを示す、営業CFが最も重要です。

財務関連指標も見たほうがいいでしょう。財務関連指標とは、会社の業績や経営の状況を診断するデータ。ROE、ROAなど、ぱっと見、小難しそうな項目が並んでいてわかりづらいですが、必ず見たほうがいいのはROEと自己資本比率くらい。この2つで「きちんと効率的に稼げているか」「借金だらけで火の車になっていないか」を判断できます。

四季報を見て、業績が上向き、本業で儲けて借金も少ないことがわかれば、検討する価値はあります。

有価証券報告書を確認しよう!

会社四季報を見れば、その企業の必要最低限の財務情報は把握できます。投資ビギナーであれば、これだけチェックしておけば、ひとまず十分でしょう。少し慣れてきたら、決算書を見るとさらに詳しい情報を収集することができますが、これは、興味がわいて、もっと勉強したくなってきた人だけ挑戦すればいいと思います。

会社四季報を補完する情報源として、もう1つおすすめするとしたら、有価証券報告書(有報)です。有報は、上場企業が年に1回、本決算の後3カ月以内(3月決算の企業なら6月頃まで)に公表することを義務付けられている資料。金融商品取引法に基づき、投資家が適切な投資判断を下せるように、内部情報を開示することになっています。

有報の内容は、企業の基本情報、沿革、従業員の状況、株主構成、経営・財務状況や、事業の今後の展望、設備投資の方針などさまざまで、200ページ前後に及ぶことも珍しくありません。全部に目を通すのはかなり大変なので、次の2点のみ注目しておけば十分でしょう。

まずは、その企業のビジネスモデルや経営戦略、その企業が本業で、どのようにして利益をあげているのか、今後の展開をどう考えているのかを確認するといいと思います。なかには、何で儲けているのか、結局よくわからないような企業もありますが、投資するのであれば、自分がビジネスモデルを理解でき、持続的に利益を伸ばし続けることを期待できる企業のほうがベターでしょう。

有報では「事業等のリスク」も明記することになっています。どんな企業にも必ず何らかのリスクはあるので、いい部分だけでなく、悪い部分にもきちんと目を向けるようにしましょう。