旧市街vs新市街どちらに住むの?
ヨーロッパの街並みは、旧市街と新市街に分かれ、通常川を挟んで街のつくりが異なります。旧市街は教会を中心に街が形成され、数百年前の建物はそのまま内装だけリフォームをして住んでいます。通常エレベーターはなく階段です。また湯沸かし器はタンク式なのでお湯の使える量にリミットがあります。建物に高さ制限もあり、高層の建物は禁止されています。道は石畳です。風情はありますが、ヒールで歩くことはとても困難です。またゴツゴツした石畳の道路を、車高の低いスポーツカーが走るのも無理がありますよね。
それに対して新市街は新たに開発された地域で、最新の建物が立ち並び設備も充実しています。また中心街はアパルトマンやマンションが多く、一軒家やお城などは郊外にあります。傾向としては旧市街はオールドリッチタイプ、新市街はニューリッチタイプが多くみられます。
旧市街か新市街、また一軒家、ヴィラ、お城のような一戸建てや、アパルトマンやマンションのようなシェアー型を選ぶかで、ライフスタイルは大きく異なります。
高層マンションを好むのは……
高層マンションと低層マンションでは、住居人のタイプが違ってきます。自分で人生を築いてきたニューリッチタイプの人たちは、高層マンションの高層階を選ぶ傾向があるようです。高層マンションに住む人は、上昇志向型が多く、エレベーターに乗った時何階に住んでいるかがひとつの目安になると聞いたこともあります。私が以前パリの15区にある高層マンションに住んでいた時、最上階の38階全フロアーを所有しているのは、アラブの石油王でした。一年中ほとんど使っていないのに、夏になると全身ベールを覆った女性たちと、その子供達がバケーションを過ごすために滞在していたのが印象的でした。夏のアラブ圏は暑いので、バケーション用に全フロアーを所有されていました。
低層マンションに住むのは、オールドリッチタイプの人たちが多いようです。昔から住んでいる人が多いため、ご近所とのコミュニケーションもしっかりとれ、家族ぐるみのようなお付き合いをされます。都心の低層マンションに住んでいる人は、車で1~2時間ほどの郊外に週末用の一軒家を所有している人も多く、週末は家族や友人たちと一緒に過ごします。フランスのパリジャンたちは、ノルマンディー地方のドーヴィルや、飛行機で簡単に行けるコートダジュールが人気です。
高層と低層のどちらにしても家の中は快適で、住み心地が良いです。スタイルは異なっても、好きな家具、オーディオ、美術品に囲まれ、友人たちを招いてホームパーティを開くことが共通点といえるでしょう。家は自分の人生の表れです。本当のお金持ちは、レストランなどへ行くよりも、ゲストを自宅に招いたり、ホームパーティを好みます。その方がプライバシーを守れ、自分の生き方やライフスタイルを直接理解してもらえるからです。