NYTでは1年目に長編ドキュメンタリーを担当し、最近では毎日175万人のリスナーを抱える人気番組「ザ・デイリー」の制作にもかかわっている。平日放送のザ・デイリーは常に締め切りに追われており、そのため作業は深夜に及ぶこともある。仕事を持ち帰る日も少なくない。
「家でヘッドホンをして番組の音源を聞いていると、息子たちに『ママ、遊ぼうよ!』とよく声をかけられます。仕事をしているなんて思ってないみたい(笑)」
子どもたちとの時間を大切にしたいので、睡眠時間を削ってでもおしゃべりの相手をし、本の読み聞かせもするという。「子どもが生まれてから、仕事と家庭の両立は難しいと実感しています。うまくこなせる人は珍しいのかもしれませんが」
そんなラリッサさんの頼りになる存在が、ミネソタ時代のバンド仲間だった夫。家にいる時間が自分より長いので、家事と子育ての多くを分担してもらっている。この上ない理解者が身近にいるので、彼女は今の仕事に打ち込める。
ポッドキャストの分野で、ほかの誰にもできない、緻密に構成された番組を作る。それがラリッサさんが掲げる将来の目標だ。新しいドキュメンタリー番組の話も出ていて、その準備のための企画会議などにも参加し、さらに忙しくなった。家族の深い愛情を支えに、成長著しいデジタル媒体で一流のストーリーテラーになる夢を追いかける日々は続く。
6:00 起床。自分の仕事をした後、子どもたちの学校の準備。
7:00 オートミールなどの朝食。
9:30 出勤。会議後、編集などの番組制作作業。
18:00 退社。
18:45 帰宅。子どもたちの宿題を見る。
19:00 夕食。仕事が長引いて遅くなることもあり。子どもたちが寝るまで一緒に遊ぶ。その後、また仕事をする。
1:00 就寝。
▼my favorite
●愛読書:カート・ヴォネガット著『スローターハウス5』
●好きな映画:ダスティン・ホフマン主演『卒業』
巨大メディア・ポッドキャスト記者
1977年、ミネソタ州生まれ。ミネソタ大学大学院修了後、高校の教員に。地方ラジオ局のインターン、ロースクール関連団体の秘書などを経て、ドキュメンタリー番組の制作に携わる。2017年より現職。
撮影=GION