羅漢果は不老長寿の漢方薬

ところで羅漢果って一体どんな果実なのだろう。素朴な疑問を店長の西牧諒さんにぶつけてみた。

「世界で唯一、中国南部の桂林のみで自生する、ウリ科の植物です」

栽培した羅漢果を乾燥させたもの。砕いて20~30分煮だせば、お茶として飲める。羅漢果の実は2個セット864円で販売。

そう言って見せてくれた実物の羅漢果は、産毛のないキウイフルーツのような見た目で、乾燥したその実は心もとないほど軽い。からからに乾いた皮のなかには、白い綿状の果肉に覆われた種子がぎっしりとつまっている。

「中国では、“不老長寿の神果”と呼ばれ、古くから漢方薬として親しまれてきました。煎じて飲むと、せき止めやのど荒れに効果があるそうです。ランチで食前に出しているのも、乾燥した実を砕いて煮だしたお茶です」

ビタミンやミネラルも豊富で体にいい。しかも、自然な甘さが舌に心地いい。そんなお茶なら、毎日でも飲みたい!

アメリカではスーパーフードとしてブレイク中!

西牧さんによると、「羅漢果は中国で重点保護植物として指定され、生の果実を輸出することが禁じられている」そう。そのため日本では、茶褐色の乾燥した実しか見ることはできないが、もともとはウリ科植物ならではの緑色。熟した果実は、突き抜けるほどの甘みを持つという。

そこに着目したのが、環境に優しい「ヤシノミ洗剤」でおなじみのサラヤ。独自の研究を重ね、砂糖の約300倍の甘味成分を持つ羅漢果からエキスを抽出して、自然派甘味料の「ラカント」を開発した。この店で使っているのも、何を隠そうラカントだ。

ラカントなら知っているという人は多いと思うが、日本では羅漢果じたいの認知度はまだまだ低い。けれどもアメリカでは近年、羅漢果がスーパーフードの仲間入りを果たし、「僧侶」を意味する「モンクフルーツ」という名前で人気上昇中だ。日本で羅漢果ブームが到来する日もそう遠くはないのかもしれない。