女性の年金は増やせる!

もうひとつ、女性に知っておいて欲しいのは、「年金は自分で増やせる」ということだ。

20歳になると国民年金、会社員になると厚生年金に加入する。それぞれ保険料を支払っていくが、加入期間が長いほど、また収入が多くて保険料が高い人ほど、将来受け取れる年金が多くなる。

仕事を頑張って収入が増えれば、年金額はアップ。また厚生年金は70歳まで加入できるので、70歳まで会社員として働けば、それだけ加入期間が長くなり、将来、受け取れる年金が増える、というわけだ。

ちなみに、産前産後休暇や育児休暇の間は年金保険料の支払いは免除される。そのうえ、保険料を払い続けていたものとして扱われ、年金額に反映されるという大きなメリットがある。育児休暇をとったからといって、その分、年金が減る、ということはないから安心だ。

例えば勉強のために数年間仕事を休んだり、出産を機に退職して数年後に復職したりなど、会社員でない期間は国民年金のみの加入となるが、60歳以降も働いて厚生年金に加入すれば、厚生年金に未加入だった分を挽回して年金額を増やすこともできる。

パートなどで働いている人は、働く時間を増やすなどして厚生年金に加入すれば、将来の年金額を増やすことも可能。終身で受け取れるお金を多くする、というのは、安心感の高い老後対策になる。

とはいえ、年金だけで老後が暮らせるかといえば、一般的には難しく、自宅の修繕や病気、介護に備えて老後資金を用意しておく必要がある。iDeCo(個人型確定拠出年金)などで老後資金を準備することが大切だ。

井戸 美枝(いど・みえ)
社会保険労務士
ファイナンシャルプランナー、経済エッセイスト。神戸市生まれ。講演やテレビ、雑誌などを通じ、身近な経済問題をやさしく解説する語り口に定評がある。『100歳までお金に苦労しない 定年夫婦になる!』(近刊)など著書多数。

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