▼口座活用は“袋分け管理”のイメージ、お金をスムーズに流す仕組みを作ろう

メインとサブの2本のお金の流れを作る

「利用する口座と使わない口座に分けたら、給料振り込みのメイン口座からお金をスムーズに流す仕組みを作りましょう。昔から毎月の支出を予算ごとに袋分けして管理する方法がありますが、口座を活用すれば収入を自動的に振り分けることができます」と加藤さん。

給料がメイン口座に振り込まれたら、貯蓄分を同行内の定期預金、つみたてNISA口座、iDeCo口座などへ当日か翌日を指定して自動振り替えをすれば、メイン口座のお金は生活費として心置きなく使ってもよい。電気代やガス代、カード引き落とし口座もメイン口座を指定すれば一元管理ができる。

さらにお金の流れをもう1本作るとよいと加藤さんはいう。「残業代やボーナスは別のお金の流れを作り、サブバンク口座に預金すると貯まる速度が速くなります。サブバンクにはスマホで簡単に取引できるネット銀行や、独自のサービスを打ち出している地銀ネット支店などがよいでしょう。こちらの流れをリスクがとれる余裕資金と位置づけ、証券口座へ入金して運用するのもよいです」

また、スマホアプリと提携した銀行口座で「おつり貯金」を行えば、自分へのご褒美に使えるお金として心強い存在となるだろう。

「無駄使いをしていないのにお金が貯まらないと嘆く人に共通するのは、資産管理をしていないこと。口座を利用した“振り分け貯蓄”は貯蓄額が見えやすいのでおすすめです」

1度、仕組みを作れば、ストレスなくお金は貯まる

図のようなスムーズにお金を流す仕組みを作るには、書類を取り寄せ、不備なく書き、銀行の窓口での手続きが必要なため少し手間がかかる。しかし1度、仕組みを作ってしまえば、その後はストレスなく自然にお金が貯まっていく。

「これまで何げなく使っていた口座を“貯まる口座”に変化させるまでが、口座断捨離といえるので、ぜひ実行してください」

加藤梨里(かとう・りり)
ファイナンシャルプランナー
マネーステップオフィス代表取締役。慶應義塾大学スポーツ医学研究センター研究員。保険会社、信託銀行を経て、ファイナンシャルプランナー会社にてマネーの相談、セミナー講師などを経験。趣味は料理。2008年にはNHK「きょうの料理クッキングコンテスト」にて優勝経験も持つ。慶應義塾大学では食事や運動による健康増進とライフプランの関係について研究中。著書に『ガッツリ貯まる貯金レシピ』(主婦と生活社)など。

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