▼口座断捨離の基本は眠らせること。スッキリしたい人は解約を!
銀行口座はこの後の人生で、再度使う可能性がある
利用しない口座を休眠させるか、解約するかどちらがよいのだろうか。
「今、銀行ではコスト削減や犯罪防止面から新規で預金口座が作りにくくなっています。口座を作る理由を尋ねられ、給与振り込みなど正当な理由がないと支店の判断で断ることも。またこの先の人生において転職や引っ越しなど、1度は使わないと判断した口座を再度使うことがあるかもしれません。口座は保有していても害にはならないので、口座管理手数料がかからない限りは、残高を1円や1万円程度にして眠らせておいてもよいでしょう」とは加藤さん。
一方、証券口座は休眠預金等活用法には関係なく、ネット証券なら無料で口座を維持できる。
「利用しない証券口座をそのままにしてもよいですが、もし再度使うのならマイナンバーの登録が必要です。スッキリしたければ解約し、またどうしてもその証券会社が使いたくなったら、改めて口座開設してもよいでしょう」
休眠ではなく、この際、口座解約をしたいという人もいるだろう。
銀行口座の解約に必要なのは登録の印鑑、通帳、キャッシュカード、本人確認書類。住所が変わった、結婚で姓が変わった人などは、銀行によっては戸籍謄本などの公的書類も必要だ。解約の手続きはネット銀行以外は窓口で行う。
長年ほったらかしたら、通帳が10冊以上に!
そこで、ライターSも必要書類を持って銀行窓口へ、20年以上月5000円積み立てていた定期預金の解約をしに行った。長らく通帳記入をしていなかったので、なんと通帳が10冊以上出てきて、手続きに1時間以上かかってしまった。解約した預金を普通預金にいったん入れて金額の証拠を残し、その普通口座を解約するのにさらに並び直してやっと解約ができた。
ネット証券の解約は運用商品を売却し、残高を引き出してゼロにしてから郵送での書類のやりとりとなり、完了までに1カ月ほどかかった。口座開設は簡単だが、解約は非常に手間取ることを実感したのだった。
使わない銀行口座は、もしも再度使う可能性がありそうなら解約せずに残すのが得策。口座に1円や、もしくは休眠預金移行前に通知が来る1万円を残して資産管理口座から外そう。そのときキャッシュカードと通帳を別々のところに保管すること。法律上では10年以上の取引がないと休眠預金になる。
●情報収集に必要な証券口座は残す
ネット証券のサイトにはさまざまな相場情報や投資判断ツールがあり、中にはログイン後でないと利用できない会社もあるので、使わない証券口座でもよい情報が載っているものは解約せずに維持しよう。解約するときはFX口座や信用取引口座などは通常の証券口座と別になっているので、それぞれの書類が必要となる。
▼利用しないクレジットカードは解約を!
入会時のポイント特典や付帯サービスに魅せられて気軽に作ったものの、今は使っていないカードがあれば、即、解約をしよう。初年度は年会費無料でも、2年目以降は会費がかかるカードが多数あるからだ。またカードを盗まれたり紛失したりするとショッピングやキャッシング枠を不正利用されるリスクもある。
【解約の仕方】
(1)カード会社のサービスセンターに電話し、カード解約の意向をオペレーターに伝える。サービスセンターの電話番号はカードの裏面に記載されている。(自動音声のガイドに従って、カード番号をプッシュするやり方で解約できる会社もある)
(2)解約後のカードにハサミを入れ、復元されないよう複数のゴミ箱に分けて捨てる。