有象無象の情報にさらされる時代、統計データをどう使いこなせばフェイクを見抜いたり、思い込みを正せるのか。数字に弱いプレジデント ウーマン誌スタッフが、統計探偵の異名を持つ本川裕さんに身近なニュースを元に、基礎から教えてもらいました。
ニュースの真偽がわかる「統計データ」読みこなし講座メインイラスト
イラスト=大塚砂織、以下すべて同じ

統計データは客観的事実を語る

──統計データって、なんだか難しく感じてしまいます……。

【本川】確かに、数字だけ見たらわかりにくいと思います。でも、たとえば「最近、街に人が増えてきた」といわれても、どれだけ増えたかは数字でないとわかりませんよね。「増えた」「多い」といったあいまいな言葉ではなく、数字で客観的事実を表すのが統計データです。真実を知るのに客観的事実は何より重要。そして数字にすることで、その重さを他人と共有することができます。といっても、数字だけではなかなか頭に入りません。そこで、数字をビジュアル化したのが統計グラフです。

──グラフだったら、少しはわかりやすい気がします。

【本川】グラフなら、数字の表す規模や変化も一目瞭然です。それに、数字は覚えられなくても視覚は記憶に残ります。通勤電車の中で思い出して検討することもできるんですね。何より、グラフにすることで変化の方向やスピードを分析したり、他のデータと比較することが容易になります。思い込んでいたことの間違いに気づいたり、意外な事実を発見することもありますよ。今回は、そんな統計グラフを紹介しましょう。

客観的事実を数字で示す でも数字だけではわかりにくい!