大阪、京都、神戸は食い倒れ都市だった

──エンゲル係数は「家計に占める食費の割合」ですよね?

【本川】はい、その通りです。エンゲル係数は所得水準が上がるにつれて低くなるといわれています。ここでは「家計調査」のデータをもとに、都道府県庁所在地別に、タテ軸にエンゲル係数、ヨコ軸に消費支出額をとって、相関を調べてみました。

──なぜこのグラフを作られたのですか?

【本川】興味本位ですよ。

──興味本位……確かに、思わず出身地を探してしまいます。

【本川】グラフを見ると、消費支出が高いほどエンゲル係数が下がる傾向が見られますが、相関はそれほど強くないようです。エンゲル係数の高さが目立つのは大阪市、京都市、神戸市の3つの都市。これらは支出の中でも特に“食”にお金をかける、いわば“食い倒れ都市”ですね。

──エンゲル係数が一番低いのは高松市ですが、もしかしたら、うどん大好き県だからでしょうか!?

【本川】高松のうどんは安くておいしいですからね。ともかく、仮説から外れたデータこそ興味深い。外れた理由が説明できれば、仮説が正しいことの証明にもなるんですよ。

エンゲル係数が高いのは家計が苦しい地域か