ぐるりと世間を見渡せば、どちらかというと無口なのに、誰からも愛される女性と、敬遠される女性がいるのはなぜか。パフォーマンス学の第一人者、佐藤綾子さんがその原因と理由を紐解いた。

好き嫌いの分岐点は、反応時の表情と声にあった

「人と話すのはちょっと苦手で……」。そう感じている人は意外と多い。話し方教室などに通い、自ら苦手を克服しようと努力する人もいるほど、社会人にとって「会話力」は重要だ。けれど、職場を見渡すと口数は少ないものの誰からも愛される不思議な女性がいる一方で、口数が少ないがために避けられてしまう女性も。その違いはどこにあるのか。

写真=iStock.com/CoffeeAndMilk

「世間には口数が少なくても好かれる女性、逆に口数が少なくて避けられる女性が必ず存在します。私はそういった、言葉に頼らない、言語表現が苦手な女性たちを『アンチ言語表現系女子』と命名し分類しています。人の第一印象は、顔の印象に6割左右されます。つまり話し方以前に、表情が相手に好かれるか否かの分かれ道なのです」と、自己表現を科学するパフォーマンス学の権威、佐藤綾子さん。

アンチ言語表現系の人の大半は、もともと「話をするのが得意ではない」「相手に合わせられるほどの知識がない」「気が小さい」など、文字にするとネガティブな特徴のある人が多いが、好かれる・嫌われるの分岐点は、話の聞き方にあるそう。

「好かれるアンチ言語表現系女子は、自分は話すことが得意ではないからこそ、相手の話によく耳を傾ける。しかも豊かな表情で!」

人間は誰しも自分の言いたいことを伝えたいという「自己表現欲求」を持っている。これは、人間の欲求の中でも、最高次元の「自己実現欲求」の条件に当てはまる。だからこそ、話したいという欲求の中で、自分の話に耳を傾け、絶妙な反応をしてくれた相手を「なんていい人なんだ!」と思う傾向があるのだそう。

「傾聴力が高い、相手の話をよく聞く女性たちは、話が苦手だからこそ、自然と『相づち』や『うなずき』などの積極的傾聴技法を身につけています。会話はヘタでも、表情や声による表現がとても上手。『わ~、すご~い』とか、『それでどうなったんですか?』なんて、目をキラキラ輝かせて相づちを打たれれば、自己実現欲求が満たされるのです」

▼人の第一印象は何に左右されるのか?
・顔の印象/60%
・声の印象/32%
・言葉の印象/8%

有名な米国の心理学者マレービアンの研究実験では、米国人が第一印象で左右されるのは、顔の印象=55%、声の印象=38%、言葉の印象=7%だが、佐藤綾子さんによる日本人への同様の実験では、顔の印象が5ポイント上昇し、この割合に。日本人は、米国人以上に相手の顔の表情に印象を左右されやすいことがわかる。
▼仕事で愛される人の特徴とは?
愛され度:(上から)高→低
・顔の印象がよく、実力・信頼性がともなう
・顔の印象はよいが、実力・信頼性がやや低い
・実力・信頼性は高いが、顔の印象がやや劣る
・顔の印象が悪く、実力・信頼性も劣る

仕事で愛される人は、実力と信頼性に加え、顔の印象、つまり豊かな表情のできる人だという。少しの失敗くらいなら許してもらえるような、愛されキャラをめざそう。