手を動かして得た情報は記憶に残りやすい
「数字をビジネスに活かすなら、過去の数字、他国の数字、年齢や地域別の数字と見比べるのが基本です。わかりやすいグラフや表はスクラップしたり、自分で描き写してみるのもいいでしょう。私自身も、興味のあるテーマごとに記事を貼り付けて、読み返しています。手を動かして得た情報は記憶に残ります。1年後には苦もなく新聞を読みこなせるようになっているはずです」
(左上)巨大な数字は、ざっくりでOK 国の数字は、概算がわかればOK。株式市場の指標も1円単位まで見る必要はなく、各指標の相関性を実感できれば十分。
(右上)3文字「英略語」は、丸暗記! 見出しに頻出する略語は「知っていて当然」のもの。いったん覚えてしまえば、経済に対する苦手意識がウソのように消えていく。
(右下)「人」にまつわる数字に注目! 完全失業率、出生率、自殺率など、「人」に関する数字は経済を読み解くのに不可欠。国内需要が激減したいま、期待されているインバウンド(訪日外国人)も重要だ。いつからどのくらい増えているのか。内訳はどうなっているのかにも注目しよう。
(左下)身近な企業の数字を比べる 企業の数字はライバルとの比較や、時系列の変化を見ることが肝心。興味深いグラフが出ていたらスクラップするか、自分で描き写してみよう。業界内の順位が変わったのはいつか。そのとき、世の中に何が起きていたのか。個人的に関心のあるテーマを3つほど決めて情報を集めよう。
帝京大学 経済学部教授
野村證券入社後、野村中東投資銀行社長、野村證券ソウル支店長、野村證券投資調査部長、野村フランス代表取締役社長などを経て、2016年より現職。著書『とりあえず日経新聞が読める本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がシリーズ10万部を突破。
撮影=小林久井