3人の子育てでバタバタの日々

4年後、大きな転機が訪れる。夫の海外転勤により退職することになったのだ。願っていた妊娠も叶い、長男を出産。続けて双子も出産し、それまでに経験したことのないバタバタの日々が始まった。

Favorite Item●ITデバイスたち
アップルウォッチからは、立って歩くようにといった健康のための指示が。コードレスイヤホンは電話会議の際に大活躍。

帰国し、アクサ生命への転職も決まったが、住んでいた都内の地域では待機児童が200人以上といわれ、保育園に子どもを入れることができない状況。

「さて、どうしよう、困った」。そんなとき、たまたま保育園をやりたいという人が見つかった。子どもを預かってもらうことができ、そこで英語のプリスクールも始めた。子どもが小学校に入ってからは、自分が習い事などに連れていけない分、できるだけ自宅でスクールを開くなどの環境づくりにも取り組んだ。

アクサ生命では執行役員として多忙な日々を送る。生保は金融とも異なり、人の生死や病など数字では割り切れないエモーショナルな面がある。トラディショナルな社員がいる中で、ロジックだけで方針を伝え、会議の場では「福田さんは生保業界のことはご存じないですからね」とチクリと言われることもあった。だが、「規制や決まりがあるからこそ、新しい発想でやってみたい。きっと美大時代から、私はそういうことが好きだったんでしょうね」。企業に新風を送る福田さんのチャレンジは続いている。

▼役員の素顔に迫るQ&A
Q.好きな言葉
目の前にあることに真剣に取り組んでいれば将来はついてくる
Q.趣味
パートナーとおしゃべり
Q.ストレス発散
パートナーとおしゃべり
Q.愛読書
『薔薇の名前』(ウンベルト・エーコ著)
福田桂子(ふくだ・けいこ)
アクサ生命 執行役員 マーケティング/CRM&コミュニケーション本部長
1992年、大手流通企業に入社。広告、商品開発などを担当。99年、LVMHグループを経て、2005年、新生銀行にマーケティング部部長として入行。09年、コンサルティング会社のパートナーとして香港やフランスで活躍。14年よりアクサ生命執行役員。

撮影=伊藤菜々子