その後、知人に誘われて移った3社目の外食企業でも人事労務を専門とし、4社目は社長の片腕として信頼され、取締役にまでなったが、事業方針に賛同できず、もんもんと過ごす日々。そんなとき、人事労務を効率化するクラウドソフトを開発していた今の会社に出合う。「これだ!」とひらめき、社長に直メッセージを送った副島さん。すぐに入社が決定した。
「人事労務部門はIT化が遅れていて、なんとかしたいとずっと考えていたんです」
外食企業時代は、年末調整の書類を約4000枚印刷し、70店舗以上に発送していた。副島さんが転職後すぐに手がけたのが、この作業を効率化する「ペーパーレス年末調整機能」の開発だ。簡単な設問に答えるだけで書類が完成するこのサービスは「画期的」と高く評価され、現在、多くの企業に取り入れられている。
「長年悩んでいたことを商品に反映できたのが何よりうれしい。自分の経験がプロダクト企画に活かせる仕事に就けて、幸せです」
28歳:部長に昇進。評価されてうれしい。しかし、転職エージェントから手痛い言葉を言われてショックを受ける。
30歳:専門性を身につけようと、退職を決意
33歳:大手外資系製薬会社へ。希望通りの部署に配属されて満足
40歳:長年作りたかった業務効率化サービスをリリース。大好評を得る
撮影=加藤 梢